南山大学

 
指定
期間
冬期集中
単位
年次
1・2
担当者
鎌田 修
トムソン木下千尋
講義題目 「学習者の自律を育てる日本語教育」
開講キャンパス
講義内容 自律的な学習について学ぶと同時に実践、体験する。学習者主導で目標設定、授業運営、相互自己評価などを行っていく。その課程で、自律的な学習の理論、方法論の文献を購読、議論し、各自が自律的な学習を促すタスクやコースの試作を行う。
学修目標 日本語教育の領域の中で、自律的な学習の理論と実践が理解でき、さらに自分自身が自律的な学習者となることで、 自律的な学習を促進する日本語教師への一歩を踏み出すことを目標とする。
講義計画 内容
 (1)(2)自律的な学習者としての自分を持続的に振り返る。
 (3)学習者の多様性、社会の可変性を検討し、学習者の自律の重要性を確認する。
 (4)(5)自律的な学習とは何かを実践例をもって検討する。
 (6)自律的な学習を実践する利点、問題点を検討する。
 (7)(8)自律的な学習を促進する教室タスクを検討し、各自教室タスクを作成、発表する。
 (9)(10)(11)自律的な学習を促進するコース運営を検討し、各自コース試案を作成,発表する。
 (12)(13)自律的な学習を支える評価活動を検討する。
 (14)自律的な学習を促進する教師像を検討する。
 (15)まとめ
方法
         (1)学習者主導で行う。アンケート用紙、質問群などを利用し、学生にペアワーク、グループワークをしてもらい、クラス全体を分かち合ってもらう。
 (2)文献講読とその検討をクラスで行う。学生は積極的に参加する。
 (3)教室活動、コース試案は、ポスター発表、あるいはメール上の公開を行う。
 (4)学習日記を付ける。
評価方法 学習日記と自己発見レポートを含めたポートフォリオ(40%)教室タスクとコース試案(40%)
積極的授業活動参加(20%)
テキスト 教科書は特にないが、指定の文献を受講前に読んでおくこと。文献リストは下記参照。

【その他】文献リスト
(*のついているものは受講前に読んでおくこと)

        *青木直子 2001「教師の役割」 pp. 182-197、 青木、尾崎、土岐編 『日本語教育を学ぶ人のために』世界思想社(ISBN4-7907-0891-8)
        *梅田康子 2005「学習者の自律性を重視した日本語教育コースにおける教師の役割」『言語と文化』No.12(愛知大学のホームページからダウンロードできる)
        *トムソン木下千尋 1997「海外の日本語教育におけるリソースの活用」『世界の日本語教育』Vol. 7:17-29.
        *トムソン木下千尋 2002「海外の日本語教育において日本文化の学習を促すコースと教師の役割」『21世紀の日本事情』第4号
        *横溝紳一郎 2001「ポートフォリオ評価と日本語教育」『日本語教育』107号
        *Thomson, Chihiro Kinoshita 1992 “Learner-Centered Tasks in the Foreign Language Classroom.”Foreign Language Annals, pp. 523-531, Vol. 25, No. 6.
        有泉芳彦 2000「学習者にやさしい日本語教育:Angdragogyの視点から」『世界の日本語教育』Vol. 10:1-20.
        田中望 2002「わたしの日本語教育はいったいなんだったのだろう」『日本語教育』113号
        田中望、斎藤里美 1993『日本語教育の理念と実践--学習支援システムの開発』大修館書店
        トムソン木下千尋 1998「学習契約書を使った自律学習の試み」『第二言語としての日本語の習得研究』
        トムソン木下千尋 舛見蘇弘美 1999「海外における日本語教育活動に参加する日本人協力者ーその問題点と教師の役割」『世界の日本語教育』 Vol.9:15-28.
        西口光一 2001「状況的学習論の視点」第II部第4章 青木、尾崎、土岐編 2001『日本語教育を学ぶ人のために』世界思想社
        ネウストプニー J.V. 1995『新しい日本語教育のために』大修館書店
        細川英雄 2002『言葉と文化を結ぶ日本語教育』凡人社
        宮崎里司、 J.V.ネウストプニー 共編 1999「日本語教育と日本語学習--学習ストラテジー論に向けて」
              くろしお出版
        Murphy, Tim and Geroge M Jacobs 2000“Encouraging Critical Collaborative Autonomy”JALT Journal, Vol.22, No.2 November, pp228-244.
        Pemberton. R., et al.(Eds.)1996 Taking Control: Autonomy in Language Learning. Hong Kong University Press .
        Thomson, Chihiro Kinoshita 1996“Self-Assessment in Self-Directed Learning: Issues of Learner Diversity”in Taking Control: Autonomy in Language Learning, R. Pemberton et. at. (Eds.), pp. 77-92, Hong Kong University Press .
        Thomson, Chihiro Kinoshita 1998“Junior Teacher Internship: Promoting cooperative interaction and learner autonomy in foreign language classrooms.”Foreign Language Annals. Vol. 31. Winter
        Thomson, Chihiro Kinoshita 2005“Meeting with Japanese Professionals: Bridging classrooms and the community.”In B. Bourke (Ed.) Innovative Practice in Japanese Language Education, Queensland University of Technology, pp.65-83.
その他