南山大学

 
指定
期間
夏期後半
単位
年次
1・2
担当者
高橋 博子
講義題目 日米核兵器観の史的検証
開講キャンパス
講義内容 一般的に日本人とアメリカ人の間では核兵器観に大きな開きがある。日本人の間では、広島・長崎での核兵器被害の惨状を踏まえた認識が形成されやすいのに対して、アメリカ人の間では、「核兵器の威力」を強調する認識が形成されやすい。本講義ではその違いが形成された背景を一次史料や映像・写真を交えて検証する。
学修目標 日米政府、日本人、アメリカ人の核兵器観をさまざまな角度から理解するとともに、ヒバクシャの立場にたった日米共通理解を将来的に築くための調査・思考を深めることを目標としている。
講義計画 1. 広島・長崎への原爆投下をめぐる日米世論調査
2. 日本占領期の原爆情報統制
3. 1950年代米国の民間防衛計画にみる核兵器対策
4. 現在日本における国民保護計画
5. 1954年ビキニ水爆被災(1)第五福竜丸の被災
6. 1954年ビキニ水爆被災(2)放射性降下物論争と原水禁運動
7. 核兵器関連資料調査(1)日本
8. 核兵器関連資料調査(2)アメリカ  
9. 核兵器の医学的側面(1)ABCC(原爆傷害調査委員会)
10. 核兵器の医学的側面(2)原爆症認定集団訴訟
11. グローバル・ヒバクシャ(1)「唯一の被爆国」ではない日本
12. グローバル・ヒバクシャ(2)米核実験によるヒバクシャ
13. 核兵器をめぐる報道・文化(1)日本
14. 核兵器をめぐる報道・文化(2)アメリカ
15. 総合討論 およびレポート課題説明
評価方法 平常点が40%、レポートが60%
テキスト Paul Boyer, By the Bomb's Early Light: American Thought and Culture at the Dawn of the Atomic Age, The University of North Carolina Press, 1985; アラン・M・ウィンクラー『アメリカ人の核意識−ヒロシマからスミソニアンまで−』(ミネルヴァ書房、1999年);前田哲男監修・グローバルヒバクシャ研究会編『隠されたヒバクシャ:検証=裁きなきビキニ水爆被災』(凱風社、2005年); 高橋博子・竹峰誠一郎責任編集『市民講座 いまに問う ヒバクシャと戦後補償』(凱風社、2006年)等
・事前に課題図書リストを配布します。

【その他】討論に積極的に参加することを期待します。
レポートは、自らの視点で調査する能力を評価します。
その他