南山大学

 
指定
期間
夏期前半
単位
年次
1・2
担当者
大高 保二郎
講義題目 スペイン美術史上の諸問題
開講キャンパス
講義内容  アルタミラからピカソまで、各時代を代表する美術家、作品、時にはモニュメントや都市を対象として、スペイン美術史を論じる。歴史を学ぶとき、文字資料は重要であるが、イメージ(画像)のない歴史はそれを想像することすら困難である。しかも先史時代には「はじめにイメージありき」だった。本講義ではイベリア半島と、コロンブス以降の中南米世界を視野におさめ、美術家とその作品がどのようにして生まれたのか、その時代、空間(トポス)、環境を検証しながら考える。モサラベ、ロマネスク、コルドバとトレド、エル・グレコ、ベラスケス、スルバランとムリーリョ、中南米バロック、ゴヤ、ガウディ、ピカソを中心テーマとする。
学修目標 1.先史から現代まで、スペイン美術史の大きな流れがその歴史とともに理解できる。
2.各時代について、それぞれ代表作が数点挙げられる。
3.それら代表作について、簡単な解説(時代とか特徴)が記述できる。
4.見知らぬ作品に対しても、その様式(estilo)や図像学(iconografia)の立場から論じることができる。
講義計画 1.美術の原点に立つ:アルタミラの洞窟 2.スペイン・イスラム美術の形成と特質 3.モサラベ美術とベアトゥス写体 4.サンティアーゴ巡礼と美術 5.王室コレクションの成立とトポス 6.トレドとイスラーム都市の構造 7.エル・グレコと環地中界世界 8.ベラスケスとアルカーサル(王宮) 9.セビーリャの聖と俗(スルバランからムリーリョへ) 10.中南米の植民地美術と建築 11.18世紀啓蒙主義とゴヤ 12.ゴヤと近代絵画の誕生 13.建築を超えたガウディ 14.世紀末とピカソの青春:青と赤のバルセロナ 15.スペイン内戦と《ゲルニカ》
評価方法 レポート(400字×10枚)を中心として(80%)、授業での質疑応答(20%)を加味する。
テキスト 神吉敬三『巨匠たちのスペイン』毎日新聞社 1997年(絶版)
必要に応じてプリントを配布する。
その他 毎時間、スライドを使用する。スペイン美術史の本に目を通しておく。