南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
安原 毅
講義題目
開講キャンパス
講義内容  本授業では、ラテンアメリカを題材として開発経済・国際経済学を講義する。具体的には、ラテンアメリカ諸国の経済政策において1980年代以降主流を成した新自由主義(ネオリベラリズム)政策の批判的検討を中心に、国際経済の構造を第三世界の視点から研究する方法を学ぶ。取り上げるテーマとしては、民営化・規制緩和、金融自由化と国際化、通貨危機と金融危機、貿易自由化と地域統合など。
 各国の事情にかんする情報収集は受講生の自習にゆだね、講義では様々な異なる経済学上の立場から書かれた研究論文を読むことを中心にする。なお本授業の性格から言って、受講生はスペイン語が読めるに越したことはないが必要条件とはせず、テキストには主に英語論文を用いたい。
学修目標  ラテンアメリカ諸国の経済政策・経済問題について、なぜこういった政策が採用されたのか、異なる選択肢はなかったのか、なぜこの結果が発生したのかを論理的に分析する手法を習得することを目的とする。この場合分析ツールとして一定の理論的枠組みが前提となるが、主流派をなす新古典派経済学のみに固執するのではなく、ポスト・ケインジアン、レギュラシオン学派、新構造学派など様々の立場の経済学の方法からのアプローチを検討する。
講義計画 1.ラテンアメリカ諸国の工業化政策の歴史:特にメキシコ、ブラジル、アルゼンチン
2.経済成長論、全要素生産性TFPの意味
3.ラテンアメリカ経済の「国際化」について;貿易自由化と資本収支勘定の自由化
4.貿易自由化の理論的根拠と批判的検討、開発の国際収支制約理論
5.金融制度の発達と金融自由化、開放化、通貨危機
6.開発金融の理論、通貨危機の諸説
7.NAFTA、メルコスルなどの地域統合の意義
8.メキシコ、アルゼンチン、ブラジルにおける雇用の柔軟化、実質賃金の変化
9.労働市場、所得分配のマクロ理論
10.「競争力強化」の政策とその結果、「競争力」の理論的分析
11.民営化政策の比較:ラテンアメリカ諸国全般と先進諸国、アジアの比較
12.民営化政策の比較:メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、ペルー
13.エネルギー開発とインフラ統合:プエブラ=パナマ計画、南米インフラ統合計画など
14.受講生各自の研究計画発表とコメント
15.レポート提出
評価方法 授業の最後に行う各自の研究計画発表と、レポートによる
テキスト CEPAL, 2005, Panorama de la insercio′n internacional de Am屍ica Latina y el Caribe, CEPAL.
Solimano, Andr市 (ed.), 2006, Vanishing Growth in Latin America, Edward Elgar.
Chong, Alberto and Florencio Lo′pez-de-Salines (eds.), 2005, La privatizacio′n en Am屍ica Latina, Banco
  Interamericano de Desarrollo.
David Dixon, Huw (ed.), 2000, Controversies in Macroeconomics, Growth, Trade and Policy, Blackwell
 Publishers Inc.
など
その他