南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
担当者
佐々木 康夫
講義題目
開講キャンパス
講義内容 日本の企業は規模の大小にかかわらず、直接的に、あるいは間接的に世界を舞台に熾烈な競争を展開している。そこで、われわれはそうした環境にある企業経営の実態を把握し、将来に向かって企業経営はどうなるのかを予想し、同時にどうあるべきかを考えなければならない。その上で、これからの経営の型を描く必要がある。したがって、冷戦中からその終結後そして現在に至る過程で企業社会に見られたさまざまな現象の要因を国際情勢の推移を踏まえて明らかにする。
学修目標 日本企業の経営がたどって今日に至った軌跡を問うことから出発する。ある企業は生き残って繁栄し、ある企業は苦難をかこち、そのまたあるものは戦列を離れた。何がこの明暗を分けたのか。そこには合理的な原因と非合理的な理由があったに違いない。
それを究明する接近法としては理論と実践の両面を押さえなければならない。このクラスでは重点を理論に置き、新しい経営理論を想定しつつ、現在までの経営理論の流れに沿った形で経営の実態を個別的・断片的ではなく、全体的に把握する。
講義計画 1.  組織の概念を理解し、経営の実践に関係が深い経営理論の系譜をレビューする。
2〜3.戦略と戦術の関係で日本企業の経営にどのような誤りがあったかを検証する。
4〜5.企業の環境適応が冷戦中とその終結後どのような状態であったかを条件理論とその後の理論・仮
    説を踏まえて確認し、これからの経営に活かすべき新しい経営理論を考察する。
6.  企業文化を条件理論との対比で見、それが実際の経営で果たす機能を確認する。
7.  組織均衡論を実際の経営にどう役立てるかを考える。
8〜9.顧客第一主義の功罪についてマーケティング概念の変遷をパラダイムとして考察する。
10.  経営における合理性と非合理性の関係はどうあるべきかを統合理論を踏まえて考える。
11.  これからの経営管理指導者のあり方をリーダーシップ論と異文化コミュニケーション論それぞれ
    の理論と概念さらに道徳的指導原理を踏まえて見極める。
12〜13.人間関係あるいは組織間における対立の欧米的解決法と日本的解決法を比較し、対立解決のため
    の各自の方法論を考える。
14.  改革の難しさをシステムの特性・行動プログラムと指導者の心的能力・社員の意識との関係で見、
    改革の有効な方途を考える。
15.  高文脈社会と低文脈社会が分ける経営の“型”それぞれがもつ特性を比較・分析し、日本型経営
    の新しいモデルを考える。
評価方法 レポートと研究への熱意
テキスト 講義のなかで適宜、参考文献のリストと資料等を渡す
その他