南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
担当者
佐々木 康夫
講義題目
開講キャンパス
講義内容 現在の企業経営の実態を把握し、企業社会に見られるさまざまな現象の要因をグローバ化の流れの中で明らかにし、過去の建設的な破壊、それに求められる組織エネルギー高揚の方途、それを実行するために必要な企業経営のあり方を考える。併せて、小子高齢化が進み、個々人の生産性の向上が必須となり、情報・知恵・創造性がいっそう求められる今世紀に企業人・経営管理指導者はどうあるべきかを考える。
学修目標 トヨタを成功に導いたトヨタ生産方式を導入したダイエーは行き詰まり、日本郵政公社は今、混乱の渦中にある。何がこの違いを生むのか。日本型経営の典型の一つと目されるトヨタ生産方式の本質的な特性を明らかにしなければならない。また、実際の経営では数字に現れないさまざまな要素がその成否を決める鍵を握っている。近年、多くの不詳事件や事故が自社はもとより社会を混乱させている。共通する根本原因を探り、堅実かつ持続的に勝つ経営とは何かを知ることが不可欠である。このクラスは経営の実践に重点を置いて経営のあり方、経営管理者のありようを考える。
講義計画 1〜2.インターナショナルからグローバルへの変遷の過程で見られた日本型経営の功罪を分析し、今後、
            進むと考えられるメタナショナルにおける日本型経営のあり方を考える。
3.  日本的“危機”意識と欧米的“クライス”意識が経営に与える影響の差異を確認する。
4.  企業組織がオープンシステムであることの社会的意味を不詳事件・事故を事例に考える。
5〜6.トヨタの強さの源泉はどこにあるのか、同社の(1)企業文化と企業風土、(2)価値連鎖、(3)積極的能
    力と消極的能力の関係から検証する。
7〜8.トヨタ生産方式は手法ではなく、思想である。それはどういうことか、その本質を見る。
9.  トヨタ生産方式を導入して失敗した企業が多い。その原因はどこにあるのか、ダイエーと日本郵
    政公社を例に検証し、その導入の前提条件を考える。
10.  企業組織における“合成された”意思決定を“ゴミ箱モデル”と呼ぶが、そのことの是非をトヨ
    タの製品企画の特徴から検証する。
11.  人の行動を喚起する上で状況の法則がどう活かされるか、ゴーン社長を例に考察する。
12.  鎌倉幕府型組織のトヨタとローマ型組織の日産−どちらが強いか、それはなぜかを問う。
13〜14.日本の産業基盤である中小企業経営の特性を概観し、今後どうあるべきかを考える。
15.  これからの経営で求められる経営管理者の心的能力について考える。
評価方法 レポートと研究への熱意
テキスト 講義のなかで適宜、参考文献のリストと資料等を渡す
その他