【科目コード】97631

【科目名称】会計システム

【担当者】佐久間　裕幸

【単位数】2      【配当年次】1秋・2     【開講期】秋学期

【授業概要】

制度会計、管理会計などが求めるところを実現する会計システムのあり方を考察する。受講生として会社の経理責任者あるいは職業会計人（公認会計士）を目指す人を想定し、これらの人が会計システムの導入、入れ替えに直面したり、助言を求められた際に留意すべきポイントとなる知識を取りまとめる。具体的には、会計システムは、制度会計に適合した出力ができ、管理会計に必要なデータないし基礎データを出力でき、同時に内部統制制度の中に位置づけることができ、税法や商法が求める保存の要請などにも対応したものでなければならない。このため、制度会計の体系（会社法、証券取引法の開示）、管理会計として予算管理・原価計算の整理を行い、内部統制制度、電子帳簿保存法の知識について講義する。

【到達目標】

制度会計、管理会計などが求めるところを実現する会計システムについて、経理責任者や経営者の一人として、自分なりの求める要件について整理し、システムを構築する情報システム部門やＳＩサービス企業の担当者と交渉ができうる知識と素養を身につけることを目標とする。

【授業計画】

1.          会計システム論

(1) システム構築の必要性　(2) 会計情報システム論　(3) 会計情報のシステム化

2.          会計システムと内部統制

(1) システムの持つ危険性　(2) 内部統制制度　(3) ＩＴ内部統制

3.          帳簿書類の電子保存（１）

(1) 電子帳簿保存法　(2) 帳簿の電子保存　(3) 書類の電子保存 (4) 電子取引の保存

4.          帳簿書類の電子保存（２）

(1) スキャナによるイメージ保存　(2) 商法における作成・保存・縦覧等

5.          電子保存に関わる問題点

(1) 長期保存の問題点　(2) 経済産業省報告書

6.          販売管理システム

(1) 受注管理　(2) 出荷管理　(3) 売掛金管理　(4) マスター更新　(5) 規程整備

7.          購買管理システム

(1) 購買機能　(2) 外注管理

8.          物流在庫・生産管理

(1) 物流管理　(2) 在庫管理　(3) 生産管理　(4) 仕掛管理

 

 

9.          原価計算

(1) 材料費計算　(2) 外注費計算　(3) 労務費・経費計算　(4) 原価計算表

10.       固定資産管理システム

(1) 固定資産管理の主要機能　(2) システム構築

11.       財務管理、予算管理

(1) ファームバンキング　(2) 資金繰り表　(3) 予算編成　(4) 予算管理

12.  ディスカッション

          ケーススタディを利用してディスカッションを行う

13.  決算と連結決算

(1) 決算処理手続　(2) 連結会計システム　(3) 税務申告　(4) 納税

14.  電子商取引

(1) 特定商取引法　(2) 取引の成立と業務処理　(3) 取引の成立と会計処理

【評価方法】

　　筆記試験30％

　　提出物40％

　　　レポートの提出

　　クラスへの貢献度30％

　　　授業中のディスカッションへの参加態度や発言内容

【テキスト】

　　　中央青山監査法人編「よくわかる会計情報システム」税務経理協会2004年

【参考文献】

　　　石島　隆『情報システムの内部統制』中央経済社2005年