南山大学

 

【科目コード】97825

【科目名称】ISO14001とマネジメント

【担当者】林 秀美

【単位数】2                    【配当年次】1秋・2    【開講期】秋学期

 

【授業概要】

国際標準環境規格であるISO14001について、取得後の運用マネジメント一般を、企業の事例・実例を取り上げながら理解する。環境マネジメントにおいてISO14001を取得する意義についてまず概観した後、取得後の企業でのオペレーションにどのようにシステマティックに活用するか、その場合の留意点・ノウハウは何かについて包括的に紹介し、グループ・ディスカッションやレポート課題等を通じてさらに理解を深めていく。最後に、ISO14001をマネジメントに活かしていく上での企業内での協力体制作りといった諸要因を含めて、実務的な講義を行う。

【到達目標】

 国際標準環境規格ISO14001の根本的な目的の理解を前提として、それを活用した環境マネジメントについての全体像・個別事例について理解を深めていく。さらに、取得したISO14001をいかにその後活用し、環境企業価値を高めていくかについて、事例をもとにして実践的に理解することを目標としている。

【授業計画】

  

1.         ISO14001とは何か(1)

(1)国際標準環規格としてのISO14001 (2)ISO14001の企業経営における意義 (3)ISO14001取得と企業の社会的責任についてのイメージ変化

2.         ISO14001とは何か(2)

(1)ISO14001と企業評価 (2)「取っておいたほうが無難?」という意見について (3)ISO14001認証取得は本当に必要か (4)継続的改善を実現するには

3.         ISO14001取得までのプロセス

(1)意思決定 (2)内部調整 (3)取得までの一連のプロセス (4)取得にかかわるコスト

4.         ISO14001取得後の方向性

(1)環境情報の把握 (2)コストの把握 (3)外部への公表

5.         ISO14001を取得した企業の事例(1)

(1)大規模製造業(1) (2)中小規模製造業

6.         ISO14001を取得した企業の事例 (2)

(1)サービス業 (2)非営利組織

7.         ISO14001を取得した企業の事例(3)

(1)外国企業の事例概観

8.         エコ・マネジメントに向けて(1)

(1)マネジメントのための環境会計 (2)設備投資決定と環境マネジメント

9.         エコ・マネジメントに向けて(2)

(1)環境会計概観 (2)環境会計による業績評価

10.   エコ・マネジメントに向けて(3)

(1)環境会計の読み方−その1− (2)環境会計の読み方−その2−  (3)環境報告書のディスクロージャー

11.   環境マネジメントの最新動向

(1)最新の動向 (2)エコ・ガバナンス

12.   総括

13.   まとめ

14.   最終試験

 

【評価方法】

提出物 50

 課題レポートなど

クラスへの貢献度 50%

   ディスカッションへの参加度[必須。発言が少ない場合は単位を与えない]

【テキスト】

  未定。下記参考文献のうち数冊、または開講までに優れた日本語テキストが出版された場合にはそれを採用することもある。なお、必要な資料は随時講義中に(事前に)配布する。

【参考文献】

唐住尚司 『経営に活かす最新環境マネジメントシステム』 産業能率大学出版部 2004

日本環境認証機構 『ISO14001~2004年版対応~環境マネジメントシステム構築ガイドブック』 ぎょうせい 2005

大島義貞 『中小企業の環境マネジメントシステム』 日科技連出版社 2005

【備考】

以上の内容はあくまでも予定であり、受講者の習熟度や希望によって変更する場合がある。宿題としてリーディング・アサインメントを必ず課す。ディスカッションへの参加は必須であるので、発言が皆無もしくは少ない受講者には単位を与えない。