①講義科目名（単位数）

刑事訴訟法Ⅰ（2単位）

②担当者名

岡田悦典

③科目の種類

法律基本科目・刑事系

④必須の有無

必修

⑤配当学年・学期

１年（既修者コース：免除）・秋学期

⑥授業の概要

①手続の流れ、②統計・書式などに現れた手続の具体像、③基本的な概念・理論、④基本的な論点を扱います。刑事訴訟法の構造・条文の準用関係をはじめとして、刑事訴訟法の内容を客観的なかたちで提示し、あわせて、刑事訴訟法と判例・学説の概要を示します。

　ゴーイング・シラバスで当該授業の論点および予習事項を示します。教科書の該当部分を予習してください。また、簡潔な設問を事前に提示します。この設問もあわせて自らが検討し、予め解答を準備してください。

⑦到達目標

①手続の流れ、手続の具体像、基本的概念・理論などの基本を正確に修得することが目標です。②刑事手続法の基本的な問題についての大枠を体得します。③基礎的事項を確実に把握することを目指します。受講者はこの講義をふまえて、重要論点をめぐるリーガル・リーズニングの独習へと進み、刑事訴訟法Ⅱの受講の準備をすることが期待されます。

⑧成績評価の基準と方法

①発言・質問など講義での積極性(10%)、②小テスト(３0%)、③期末試験(６0%)を総合して行います。

⑨教科書

田口守一『刑事訴訟法〔第4版補正版〕』(有斐閣、2006年)

松尾浩也・井上正仁編『刑事訴訟法判例百選〔8版〕』（有斐閣、2005年）

⑩参考文献・参考資料

松尾浩也、井上正仁編『刑事訴訟法の争点[３版]』(有斐閣、2002年)

白取祐司『刑事訴訟法[3版]』(日本評論社、2004年)

田宮裕『刑事訴訟法[新版]』(有斐閣、1996年)

光藤景皎『口述刑事訴訟法・上巻[2版]』(成文堂、2000年)

光藤景皎『口述刑事訴訟法』中巻(成文堂、改訂版、2005年)

光藤景皎『口述刑事訴訟法・下巻』(成文堂・2005年)

三井誠『刑事手続法(Ⅰ)[新版]』(有斐閣、1997年)

三井誠『刑事手続法(Ⅱ)』(有斐閣、2003年)

三井誠『刑事手続法(Ⅲ)』(有斐閣、2004年)

⑪履修条件その他の事項

特にありません。

回

担当

①テーマ

授業内の学修活動

④授業時間外の学修活動等

②ねらい・内容

③授業方法・工夫

１

オリエンテーション

刑事訴訟法Ⅰの位置づけ、授業の進め方など、オリエンテーションを行います。あわせて、刑事手続全体の流れを簡単に説明します。

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

２

捜査とは何か

捜査の目的は何か。捜査を考えるための原則とは何か。
(1)捜査の目的と構造─捜査機関と被疑者の関係、(2)捜査の諸原則、(3)捜査の端緒

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

３

任意捜査の諸問題原則

任意捜査はどのように規制されているのか。

(1)写真撮影

(2)おとり捜査

(3)任意同行・任意取調べ

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

４

逮捕・勾留

被疑者の身柄拘束はどのように行われるか。 また、身柄拘束はどのように規制されているか。
(1)逮捕・勾留の手続、(2)事件単位の原則

(3)別件逮捕・勾留と余罪取調べ

(4)未決拘禁と無罪推定の原則

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

５

供述証拠の収集─被疑者取調べと参考人取調べ

供述証拠の収集はどのように行われるか。
(1)被疑者取調べと取調受忍義務論、 (2)被疑者取調べの規制、(3)任意取調べ　(4)刑事免責

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設例に関する設問の解答を準備します。

６

非供述証拠の収集─捜索・差押え、検証、鑑定

物証はどのようにして収集するか。
(1)非供述証拠の収集と令状主義、　(2)捜索・差押え、(3)検証・鑑定

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習します。

７

被疑者の防御・違法捜査に対する救済

被疑者の権利はどのように保障されているか。

(1)黙秘権、(2)弁護人依頼権、(3)接見交通権、(4)証拠保全請求権、(5)違法捜査に対する是正と救済

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設例に関する設問の解答を準備します。

８

公訴提起と公判準備

公訴提起はどのような原則と手続に従ってなされるのか。

(1)起訴独占主義・起訴便宜主義、(2)公訴権行使に対する控制、(3)起訴状・起訴状一本主義、

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問を設定し、受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

９

公判手続

公判はどのような原則に従うのか。公判のための準備手続はどのようになっているのか。

(1)公判の基本構造、(2)公判前整理手続、当事者の公判準備、(3)証拠開示、(4)裁判の公開・迅速な裁判

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

10

審判の対象

審判は何を対象とするのか。
(1)審判対象論の意義、(2)訴因の特定、(3) 訴因変更制度、(4)公訴事実の同一性

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

11

証拠法一般

犯罪の証明はどのような原則と手続に従ってなされるのか。その基本的原則を学ぶ。
(1)証拠能力・証明力、(2)厳格な証明・自由な証明、(3)科学的証拠、(4)自由心証主義、(5)挙証責任

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

12

伝聞法則（1）

伝聞および伝聞法則とは何か。その基本的原則を学ぶ。
(1)伝聞概念、(2)伝聞法則、(3)伝聞例外の基礎

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

13

伝聞法則（2）

伝聞法則の例外となる場合は何か。
(1)被告人以外の者の公判期日外供述─捜査機関が関与した書面、(2)被告人以外の者の公判期日外供述─捜査機関が関与した書面、(3)被告人の公判期日外供述、(4)証明力を争う証拠

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設例に関する設問の解答を準備します。

14

自白法則・補強法則

自白と何か。自白の規制はどのようになっているか。
(1)自白・不利益な事実の承認・有罪の自認、(2)自白法則、(3)自白補強法則

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。

15

違法収集証拠排除法則

違法収集証拠はなぜ証拠として使えないのか。
(1)違法収集証拠の意義、(2)排除の基準　(3)証拠排除の範囲─毒樹の果実

テーマについて講義します。また、必要に応じて受講者の予習を確認するため、いくつかの設問について受講者に質問します。

左記のテーマについて教科書の指定範囲および参考文献を予習し、設問の解答を準備します。