南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
1
担当者
寺尾 寿芳
他の科目との関連
履修対象学科
副題 宗教と文明
講義内容  人類が継承してきた文化には、人々の宗教心が深く関わっている。そのために、現代世界の社会や文化を理解するには宗教に関する理解が不可欠である。また、キリスト教が持つ価値を正しく評価するためには宗教そのものの理解が必要である。本講義では、宗教理解への入門として特定の宗教を取り上げるとともに、宗教現象の分析を通じて、宗教がもつ文化的・社会的意味、宗教と人間観・世界観の関係について考察する。この講義を通じて宗教に対する理解を深めるための基礎的な枠組みを修得することを目指す。
学修目標  「宗教対立」、「宗教戦争」、「原理主義」など宗教にまつわる現代人のイメージはあまりよくない。しかしイエスやブッダを顧みれば容易に理解できるように、宗教が果たしてきた精神的貢献は無視できない。困難をきわめる現実の宗教理解において文明の視点を導入することは、抽象的になりがちな教義理解や静態的な史実確認を超えて、歴史の荒波のただなかに生きる人類が記した罪深さと偉大さを動態的に照らし出す、いわば自己回復の営みとなる。本講義ではこうした視点から、来るべき全地球文明を生きるに際して重要な宗教的感性と問題意識を育むことを目指す。なお本講議では、受講生が世界史と日本史を履習済み(あるいは同程度の知識を持つ)という前提で話をすすめる。
講義計画 1.    はじめに
2.    宗教・文化・文明
3.    トインビーの文明観
4.    トインビーの宗教観
5.    比較文明学における宗教
6〜8.  キリスト教の歴史と文明
9〜10.  仏教の歴史と文明
11.    神道の歴史と日本文明
12〜13.  イスラーム文明
14.    儒教文明、その他
15.    定期試験(筆記試験あるいは期末レポート)
評価方法 平常点(30%)、試験(小テスト、小レポート等を実施する場合、それらを含んで全体の70%)による総合評価。
テキスト 教科書は使用しない。参考文献として、吉澤五郎『トインビー』(センチュリーブックス・人と思想・69)清水書院、1982年。その他、講義のなかで適宜紹介する。
その他 受講生の関心や進捗状況等により若干変更する場合がある。評価方法に関しては、受講態度など、その他要因を考慮する場合があり、また諸状況を考慮し配点比重を変更する可能性がある。なお、本講義においては主体的なノートテイキングが必須である。
この科目は、次のJABEE対応コース「情報技術専修コース」学習・教育目標に対応する。(A)