南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
藤井 基貴
他の科目との関連
履修対象学科
副題
講義内容  「人間は教育によって人間となる。人間は教育が人間から作り出したものに他ならない」ドイツの教育学者テノルトは「近代教育学の主張は、ヨーロッパではすでにその成立期に、すなわち『教育の世紀』としての啓蒙期に、簡潔明瞭に定式化されている」として、『教育学』(Immanuel Kant 歟er P嚇agogik , 1803)に収められている上記の言葉を引用しています。テノルトに限らず『教育学』の中のこの言葉は幾度となく教育関係図書のなかで取り上げられ、近代教育の精神を代弁してきました。この言葉は当時のどのような教育精神を示しているのでしょうか。また現在においてどのような意味を持つものとして捉え直すことができるのでしょうか。本講義では、教育哲学、教育史、教育社会学、教育心理学、比較国際教育学のこれまでの研究成果を紹介しながら、近代教育の理念および現代の教育課題について解説します。関連する文献および映像資料の検討を通じて、受講者がみずからの教育観をより論理的・説得的なものへと発展させていく手がかりとなるような講義としたいと思います。
学修目標  この授業が終了したときに、受講者のみなさんが以下のような知識や能力を身につけることを目標にします。

・ 西洋の近代教育思想の特徴、課題、およびその影響について説明できるようになる。
・ 近代以降の日本の教育政策の歴史、特徴、および課題について説明できるようになる。
・ 「教えること・学ぶこと」に関する自分なりの考え方を、教育学の専門知識に基づいて、論理的・説
  得的に述べることができるようになる。

 この三つの目標を達成するために、授業では一方的に講義するだけではなく、教育学の分野でいろいろと考案されてきた教育方法を用いて、みなさんが主体的に課題に取り組み、能動的に授業に参加できるようにします。
講義計画 1.オリエンテーション  — 講義の説明・課題設定 —
2.教育哲学(1)      — 教育とは何か —
3.教育哲学(2)      — 教育の必要性 —
4.教育史(1)       — 古代から近代 —
5.教育史(2)       — 近代から現代 —
6.教育社会学(1)     — 近代以降の日本の教育改革 —
7.教育社会学(2)     — 戦後日本の教育問題 —
8.教育心理学(1)     — 学習への動機付け —
9.教育心理学(2)     — 学校環境学 —
10.現代の教育問題(1)   — 学力問題 —
11.現代の教育問題(2)   — 教育の自由 —
12.比較国際教育学(1)   — アジアの教育 —
13.比較国際教育学(2)   — ヨーロッパの教育 —
14.まとめ
評価方法 平常点(30%)、レポート(20%)、期末試験(50%)
テキスト 篠田弘編『資料で見る教育学』福村出版、2007年。毎回講義プリントを配布する。参考文献は随時紹介する。
その他 この科目は、次の JABEE 対応コース「情報技術専修コース」学習・教育目標に対応する。(A)