南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
原田 直枝
他の科目との関連
履修対象学科
副題
講義内容 「文学って何だろう?人間の生活とどう関わるんだろう?」—説明しようとすると、理屈ぽくなり、堅苦しくなって、少しも楽しめなくなる領域がこの世には多々あるが、恐らくは文学もその一つに当たる。本講義では、この問いかけを履修者各自が頭の片隅に置きながら、実際にできるだけ多くの文学作品に触れ、その中から文学に対する理解を一歩深めることに重点をおく。材料とするのは、世界の古典期の中でもとりわけ多彩な文化が開け、個性的な才能が続出した、中国の唐代の文人とその作品群である。特に、杜甫・李白を軸とし、また当時の日本人の中国文化との交流にも目を向ける。
学修目標 「文学って何だろう?人間の生活とどう関わるんだろう?」という問いについて、実際に文学作品に触れる講義を通して、履修者各自が何らかの答えを見つけ出すことをめざす。最低限、日常の中で無際限に消費されていく通信文と、「文学」との違いについて、基本的な認識を持つ。また、講義で扱う材料の特性に因み、中国古典の文献にこめられたメッセージを自力で読みとるための、初歩的な知識や方法を理解する。
講義計画 1 古典期中国の「文」の特質(1)—とても広い「文」の範囲。
2 古典期中国の「文」の特質(2)—明治以前の日本も受けたその影響。
3 李白・杜甫、唐という時代—四大文明の時点から考えると、新しい。
4 大唐と文人(1)—都に上る。出世の夢。
5 大唐と文人(2)—都を下る。隠逸の暮らし。
6 大唐と文人(3)—辺境へ。異国情緒
7 李白
8 阿倍仲麻呂を通して見る大唐の人と文化
9 空海を通して見る大唐の人と文化
10 杜甫(1)—「春望」はどうして名作か?
11 杜甫(2)—「安史の乱」が生んだ大詩人
12 杜甫(3)—貧窮や社会の矛盾を鋭く捉えた作品群1
13 杜甫(4)—貧窮や社会の矛盾を鋭く捉えた作品群2
14 作家と作品、それを享受する人々について
15 試験
評価方法 定期試験の結果(70%)と平常点(30%)で判断する。平常点は、授業への出席にもとづく。出席票を兼ねた用紙を毎回配布、これに感想・質疑・意見等記入したものを回収する。
テキスト 授業時に配布する。
その他