11343 地域文明論H(アジア)
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選必 |
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秋学期 |
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2 |
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1〜 |
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梁 暁虹 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | |
講義内容 | 佛教の起源は、紀元前6世紀インド・サブコンテイネント北部に遡り、長い期間を経て古代インド文化を代表するに至った。西暦紀元初期、陸路であるシルクロードや南海路を経て東漸し、中国に伝わっていったのであるが、中国にて佛教はさまざまなプロセスを経て唐の時代まで流行、発展していった。唐朝までには佛教は既に外来宗教文化から脱皮し、インド佛教に取って代わった中国独特の佛教に姿を変じ、アジアに於ける佛教の中心地になったのである。そこから、佛教はさらに東漸を続け、東南アジアではベトナム、東アジアでは日本と朝鮮へと伝わり、大乗佛教の一特色たる「漢字仏教文化圏」を形成するようになった。 その発展途上、佛教は中国の社会、伝統文化の各領域に浸透し、広汎にして深大なる影響をもたらしたのである。政治、哲学、文学、芸術、言語、民俗、といろいろな面において、「佛(ほとけ)」の陰影がうかがえ、佛教は中国固有の儒教と道教にちょうど三足鼎(さんぞくかなえ)の喩えにふさわしいように、もう一つの「足」をつけたし、伝統文化の主流の一つに含まれるようになったのである。また、その反面、中国の伝統文化へもその影響を与えるようになり、儒・佛・道の三教合併、一種のモザイク文化形態を織り成すように至った。本講義では、以上概括したような歴史的背景をめぐり、佛教東漸の軌跡に沿って、さまざまなトピックスを展開し、主に古代インドの佛教形成と発展、中国が佛教から受けた文化的影響を歴史に溯って考察していきたい。 |
学修目標 | この授業科目修了時において達成すべき重要な目標は次の事項である。 (1) 仏教は古代インドにて形成と発展、また海外に伝播、中国に東漸、発展して、中国仏教を形成した歴史軌跡を理解をすること。 (2) 仏教は中国伝統文化に多大な影響を与えたことについて、基本的認識を修得すること。 (3) 関連ある古代インドと中国の歴史、中国文化の内容について、基礎的な事項、基本的な認識を修得すること。 |
講義計画 | 1.この授業について紹介、説明、インドにおける佛教の形成から授業を進める 2.インドにおける佛教の発展 3.インド佛教の対外伝播 4.インド佛教の中国への東漸 5.中国における佛教の萌芽と発展 6.中国佛教の形成;中国仏教の盛況 7.仏教と中国伝統文化、(一)佛教と中国の政治(1) 8.仏教と中国伝統文化、(一)佛教と中国の政治(2) 9.仏教と中国伝統文化、(二)佛教と中国の文学(1) 10.仏教と中国伝統文化、(二)佛教と中国の文学(2) 11.仏教と中国伝統文化、(三)佛教と中国の芸術(1) 12.仏教と中国伝統文化、(三)佛教と中国の芸術(2) 13.仏教と中国伝統文化、(四)佛教と中国の民俗(1) 14.仏教と中国伝統文化、(四)佛教と中国の民俗(2) 15.期末試験 |
評価方法 | 出席情況 30% 中間レポート 20% 期末試験の成績 50% |
テキスト | 授業担当者が作った教材のプリントを主に使用し、関連する中国仏教文化のビデオを補助教材として使用する。 |
その他 | この講座をより効果的にするため、ある程度のバックグランドが必要かと思われるため、事前に、高等学校にて学んだアジアの歴史の教科書を復習するようアドバイスする。とくにインドおよび中国の歴史の基本的な知識、理解があれば大変望ましい。 |