南山大学

 
指定
選必
期間
夏期前半
単位
年次
3〜
担当者
菊池 努
他の科目との関連
他学科履修
副題 グローバリゼーションの国際政治経済学
講義内容  モノ、カネ、ヒト、情報が国境を越えて激しく行き交う世界(「国境なき世界」)が生まれている。なぜそうした世界が生まれているのか。そうした世界で我々はどのような新しい課題と挑戦に直面しているのか。グローバリゼーションは伝統的な国際関係や国家のあり方にどのような変化をもたらしているのか。グローバル社会を円滑に管理するための新しいルールや制度はどのように構築すべきなのか。本授業では、近年のグローバリゼーションの進展という現象をとりあげ、その背景、課題、今日の取り組みを紹介するとともに、そうした変化を理解するための国際政治経済学の理論を説明する。講義の内容は経済(貿易、投資、金融)から政治(外交のあり方)、社会(環境や疫病、犯罪、インターネット)、安全保障(兵器市場のグローバル化や「戦争の民営化」「軍事の外注化」)など多岐にわたるが、具体的な事例を数多く取り上げて、履修者の理解を促したい。我々が今日直面している課題と挑戦を理解することに知的関心を持つ学生の履修を希望します。
学修目標 1.グローバリゼーションとは何か、その概念と今日の世界の政治、経済、安全保障の変化を理解する。
2.グローバリゼーションの進展が国際政治経済にどのような変化をもたらしているのかを理解する。
3.グローバリゼーションを説明する国際政治経済学の理論を学ぶ。
4.グローバル社会を「生き抜く」ために我々に何が必要なのかを考える。
講義計画 1.グローバリゼーションとは何か。
2.グローバリゼーションの諸相(3つの世界)
3.グローバル社会の課題
4.経済のグローバリゼーション(貿易、投資、金融)
5.国境を越えた社会問題(環境、情報、疫病,犯罪)
6.軍事のグローバリゼーション(大量破壊兵器の拡散、武器市場の国際化、破綻国家(内戦)と戦争経済、戦争の民営化・軍事の外注化)
7.グローバル・スタンダード(世界標準)の国際政治
8.グローバリゼーションへの対応:政府と市民社会(NGO):対人地雷禁止条約の事例
9.グローバリゼーションとリージョナリゼーション(グローバル社会のなかの「地域」、地域経済統合、地域主義、地域的な平和と安全保障の取り組み)
10.多様な安全保障:「国際安全保障」「国家安全保障」「人間の安全保障」
11.「現代版奴隷貿易」
12.グローバル・ガバナンスとは何か(国際社会のあるべきルールとルールの構築をめぐる国際政治)
13.日本の課題
14.試験
評価方法 4分の3以上出席することが単位取得の条件。その上で、レポート(25%)、試験(75%)
*レポートの課題:「私の施政方針:自分がある国の指導者であると想定して、自国の国民がグローバル化した社会で平和でかつ豊かに暮らせるようにするために、どのような施策を推進するのか。具体的に5つの施策を述べなさい。(当然、そうした施策を推進する背景についても言及すること)」
分量 A4 3—4枚(ワープロ)。授業の最後に提出すること。あらかじめどのような問題について書くか考えまとめておくこと。)
テキスト  テキストは指定しないが、以下を読んでおくことが望ましい。古城佳子編『経済のグローバル化と国際政治』(東大出版会、2004年11月)、2500円
その他