11461 総合政策論III(政治構造と社会変動)
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選必 |
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秋学期 |
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2 |
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3〜 |
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a川 洋子 |
他の科目との関連 | 地域文明論B(アジア) |
他学科履修 | 可 |
副題 | 東南アジアの政治変動と社会と政策 フィリピンを例として |
講義内容 | 東南アジアの途上国のかかえる貧困をめぐる諸問題とその解決策を、政治変動と社会の特徴から理解する。問題解決に寄与する特定分野の政策に焦点をあてて、政治体制が異なれば、政策決定過程と政策内容はどのように異なるか、その政策の成果はどうであったかを実証的に学ぶ。3つの政治体制下の3つの農地改革をとりあげる。 |
学修目標 | 途上国の諸問題を表層的現象にとどまらず、政治経済構造から把握分析する必要性を理解する。民主体制と権威主義体制の違い、政策が決定される政治権力環境、経済社会的支持勢力の違いを知る。具体的には異なる政治体制下でとられた、異なる農地改革法の制定と実施、ガバナンス政策などを学ぶ。フィリピンを事例とするが、途上国が共有する問題として把握・分析・解決方法の成果をみる能力を育成する。 |
講義計画 | 1.講義の狙い説明 2.フィリピンの歴史の概観、民主政治の歴史の問題点 歴代政権の紹介 3.山積する諸問題:経済発展の遅れ、人口増加、貧困、武装ゲリラ反乱 4.制度論者の主張 5.オリガーキー民主体制(46年—72年)エリート選挙政治とパトロンークライント 6.体制変革:マルコス戒厳令体制(72—86年)開発政策、家産化、軍事化、ガバナンス問題 7.体制変革:ピープルパワー、民主回復、脱マルコス化、未遂クーデターの常態化 8.87年憲法下の制度改革:参加民主主義体制 9.3つの政治体制の下の政策決定過程の変遷 10.農地改革の変遷、(1)63年農地改革法の成立と挫折 11. (2)マルコス期の大統領令による小作解放令 12. (3)アキノ包括農地改革法 13.民主体制の下のガバナンス問題:戒厳令期、エストラーダ、アロヨ政権の不正汚職 14.腐敗汚職予防策、汚職裁判所(Ombusman) |
評価方法 | 学期末試験(80%)と数回のクラスでのクイズ(20%)。 |
テキスト | |
その他 | 参考書 堀 芳枝『内的発展による農地改革』国際書院 2006年 デービッド・ワーフェル『現代フィリピンの政治と社会』明石書店 1997年 デービッド・スタインバーグ『フィリピンの歴史・文化・社会』明石書店 2000年 吉川洋子「マルコス戒厳令体制の成立と崩壊」『近代革命とアジア』(河野健二編) 名古屋大学出版 1987年 梅原弘光『フィリピンの農村』古今書院 |