南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
上野 宏
講義題目 経済成長モデルと開発経済学
開講キャンパス 瀬戸キャンパス
講義内容  途上国の多くは深刻な経済問題に直面している。本講義は、それらの問題を開発経済学に拠り理論的に分析することを主眼とする。さらに出来る限り、それら問題を解決するための諸政策とそれらの実績(評価)について検討する。例えば、経済成長や、インフレ・国際収支赤字を克服して経済を安定化させる政策とそのモデル(TFP、 RMSM等)を検討したい。
学修目標  途上国経済問題を分析するための理論枠組みとモデルを理解することを目標とする。成長モデルを中心とする。これらが、政策提言をする道具として、又修士論文を書く道具として、使えるようになることが期待されている。
さらに、どのような政策選択肢が在るかと、それらの長所短所を理解してもらう。
講義計画  成長モデルを中心とする。
経時的経済発展の定型化された事実(stylized facts)のモデルをレビューし、開発途上国の経済発展政策を作るために必要な、経済発展に関する各種の理論モデルや分析道具、の視点からアプローチする。
1.  経済発展とは何か。価値観と経済発展;GDPとその他の発展指標;GDP測定と各国間換算レ    ート(テキスト1の第1章)。
2−3.経済発展の観察。ペティ=クラークの法則;クズネッツの逆U字仮説;カルドアの六つの定型化    された事実;ローマーの技術による定常状態の発展仮説(第2章)。
4−5.新古典派以前の経済発展観1。リカードの農工間技術格差と比較生産費説;ロストウの経済発展    6段階説と離陸の条件;ハロッド=ドーマーの固定資本係数成長モデル(第3章)。
6−8.新古典派成長理論1。ソロー=スワン・モデルと成長会計(第4章)。
9.  新古典派成長理論2。新古典派の黄金率;ラムゼイの最適成長モデル(第5章)。
10−12.新古典派以降の成長理論。ローマーから発したバロー、アロー、ルーカス等による内生的成長モ    デル(第5章、テキスト2)。
13−14.2部門経済発展モデル(第6・7章)。
15.  定期試験(持込不可)。
時間的余裕が出来たら: 産業構造の変化(第8・9章)。
評価方法  定期試験による(100%)。必要に応じて出欠状況を加味することもある。
テキスト  第1テキスト:秋山裕(1999)『経済発展論入門』東洋経済新報社
 第2テキスト:Jones, Charles I.(1998), Introduction to Economic Growth, W.W. Norton, N.Y(日本語訳:チャールス・I・ジョーンズ、1999『経済成長理論入門:新古典派から内生的成長理論へ』香西泰監訳、日本経済新聞社)。

 参考文献:  高木保興(2002)『開発経済学の新展開』有斐閣
Perkins, Radelet, Snodgrass, Gillis, and Roemer(2001), Economics of Development, 5th Edition, W.W. Norton, N.Y(多分翻訳は無いと思われる)。
その他