南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
森 正
講義題目 制度改革の政治学
開講キャンパス サテライトキャンパス
講義内容  1990年代以降のわが国の政治状況を一言で総括すると「改革の10年」と言えるだろう。政治改革、行政改革、分権改革など、戦後日本政治のあり方を性格付けた様々なシステムに“制度疲労”が生じているとして、検討がなされた10年であった。しかしながら「改革の10年」に対する評価は決して芳しいものではない。「失われた10年」という言葉に端的に示されているように、この10年は改革という言葉に踊らされたに過ぎず、その実はあがっていない、とする見解が一方では存在する。例えば、選挙制度改革は政党の流動化をもたらし、有権者の政治不信を招いた、行政改革は“器の改革”にとどまり、政官財の癒着に象徴される不透明な社会構造や、護送船団方式などとされる競争抑制的な経済構造も温存され、景気回復の兆しも見えてこない、と言うものである。
 「改革の10年」と「失われた10年」、この相反する評価はなぜ生じたのだろうか。一連の改革が不十分であったから「失われた10年」になったのか、改革の方向性に問題があったから「失われた10年」になったのか、それとも、改革とは無関係に「失われた10年」なのであろうか。このような問題関心の下、本演習では、「改革の10年」とは、何を対象に、いかなる目的で、“改革”が行なわれた10年だったのか、いくつかの文献を講読しながら検討を加えていきたい。
学修目標  以下の2点について、理解を深めたい。
1)90年代の改革の意義とそのインパクト
2)政治学における多様なアプローチの存在
講義計画 1.ガイダンス
2.政治改革
 (1)日本政治の問題状況
 (2)中選挙区制度の分析
 (3)選挙制度と政党システム
 (4)処方箋としての並立制
 (5)政界再編
 (6)並立制の評価
 (7)並立制下の投票行動
3.構造改革
 (1)中央省庁再編
 (2)規制緩和
 (3)特殊法人改革・民営化
 (4)財政構造改革
 (5)地方分権
 (6)住民参加
4.まとめ
評価方法  リサーチペーパー(40%)、学期末レポート(30%)、平常点(30%)。
テキスト  文献リストを初回講義において配布予定。
その他