南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
中村 元哉
他の科目との関連
履修対象学科
副題  近現代中国のリベラリズムと「東アジアの公共性」
授業概要  現代中国は、政治的にも経済的にも、アジア・世界において存在感を増しつつあり、もはや、かつての社会主義中国のイメージのみでは語れなくなった。そこで本講義は、近現代中国のリベラリズムを歴史的に考察し、「脱社会主義の中国」を構想していく。具体的には、19世紀末に近代西洋のリベラリズムがどのように受容されたのかを検討し、あわせて、中国リベラリズムの政治的・社会的背景も解説していく。
学修目標 1:近現代中国のリベラリズムを理解し、社会主義中国のイメージを相対化することで、近現代中国を世界のモダンの系譜のなかに位置づけなおす。
2:近年、「東アジアの公共性」が模索されているが、それは東アジア各国・各地域のリベラルな諸価値を相互に認識し、その違いを調整していく過程である。したがって、受講者がまず近現代中国のリベラリズムを理解し、その先にそれぞれの東アジア論を構想していくことが求められる。
授業計画 序:リベラリズムと自由主義〈第1〜2回〉
1:清末中国における近代西洋リベラリズムの受容過程とナショナリズム〈第3回〉
2:社会主義、社会民主主義と中国リベラリズム〈第4回〉
3:新文化運動と『新青年』〈第5回〉
4:胡適と『独立評論』〈第6回〉
5:儲安平と『観察』〈第7回〉
   *レポート and 講評〈第8〜9回〉
6:近現代中国のメディアとリベラリズム〈第9回〉
7:近現代中国の政治と思想—検閲と政府批判—〈第10回〉
8:現代中国のリベラリズムと「東アジアの公共性」〈第11〜12回〉
   *途中でゲストスピーカー or 中国近現代史の復習を設定する可能性がある。
評価方法  出席点(20%)、レポート(40%)、定期試験(40%)で評価する。
テキスト  特に指定しないが、開講時に参考文献一覧を配布する。
その他  近年盛んに議論されているアジア共同体論。それを考えるためには、東アジアの公共性を考えなくてはなりません。そして、その為には、近現代中国のリベラリズムをどう理解するかが重要となってきます。これから本格的な研究がすすむ分野ですから、最新の研究成果を随時分かりやすくお伝えしていきます。