南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
青山 幹哉
他の科目との関連
履修対象学科
副題 北と南の「日本」史
授業概要  「日本」史の地理的対象は、現在の日本国領域である。当然のことと思うかもしれないが、それに矛盾は全く生じないだろうか? 本講義では、中世における奥羽・蝦夷地を含む北方世界と、琉球列島を含む東シナ海世界から、境界領域・境界民の存在を考え、一国民史(一民族史)としての「日本」史成立の歴史的背景を考察する。
学修目標  一つの歴史的事実にも、それを認識するための視座が複数ありうることを理解し、広い視野から物事を批判的に考える力を養う。
授業計画 1.「日本」の枠  国民史(民族史)としての枠組み
2.       日本律令国家の領域認識
3.北の「日本」 奥六郡の成立
4.       平泉の藤原氏
5.       日の本将軍安藤氏
6.       アイヌと松前氏
7.       北方史から
8.南の「日本」 チャイナタウン博多
9.       境界の地としての対馬
10.       百済王孫・大内氏
11.       倭寇の東シナ海世界
12.       琉球王国
13.       沖縄・琉球史から
14.まとめ
15.試 験
評価方法 学期末のレポート試験(80%)および随時に課す小レポート(20%)により評価
テキスト な し
その他 以下に参考文献を挙げる。
谷川 健一 『甦る海上の道・日本と琉球』文春新書、2007年
鶴田 啓 『日本史リブレット41 対馬からみた日朝関係』山川出版社、2006年
工藤雅樹『古代蝦夷の英雄時代』平凡社ライブラリー、2005年
赤嶺 守『琉球王国—東アジアのコーナーストーン』講談社選書メチエ、2004年
菊池勇夫編『日本の時代史19 蝦夷島と北方世界』吉川弘文館、2003年
豊見山和行編『日本の時代史18 琉球・沖縄史の世界』吉川弘文館、2003年
紙屋 敦之『日本史リブレット43 琉球と日本・中国』山川出版社、2003年
入間田宣夫『日本史リブレット18 都市平泉の遺産』山川出版社、2003年
入間田宣夫ら『日本の中世5 北の平泉、南の琉球』中央公論新社、2002年
大石直正ら『日本の歴史14 周縁から見た中世日本』講談社、2001年
村井章介ら『境界の日本史』山川出版社、1997年
村井 章介『中世倭人伝』岩波新書、1993年
高良 倉吉『琉球王国』岩波新書、1993年
荒野泰典ら編『アジアのなかの日本史』1〜6、東京大学出版会、1992〜93年
その他、授業の中で適宜紹介する。