20051 ジェンダー論
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選 |
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秋学期 |
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2 |
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2秋〜4 |
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加藤 隆雄 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | ジェンダーの社会学 |
授業概要 | 「ジェンダー」概念がどのような事態を説明するために用いられた言葉であるのかを示し、「目に見えない制度」としてのジェンダーが、どのように作られ、どのようなしくみで存続しているのかについて、諸理論を概説する。そのうえで、ジェンダーが私たちの生活のどのような場面で、また、私たちの人生のどのような瞬間に、どのようなかたちで働いているのかを、家族・学校・異性関係・文化・進路選択・就業・結婚と出産・老後などに定位し、データを読み取りながら明らかにしていく。 |
学修目標 | 1.「ジェンダー」という用語と「性(別)」「性差」との違いを理解する。 2.科学的な言説のなかに含まれるジェンダーバイアスに気づく洞察力を養う。 3.フェミニズム・ポストフェミニズムの諸理論について概説的な知識を得る。 4.ジェンダーが生育過程でどのように形成されるかを知る。 5.ライフコースの中で働くジェンダーの影響力について、データの読み取りを通じて考察する。 6.〈女/男〉という二分法が現代社会においてどのようなジレンマやアポリアを引き起こすかについて批判的・弁証法的な思考方法を修得する。 7.上記1〜6を総合的な判断力として生かす力を身につける。 |
授業計画 | 1.ジェンダーとは何か sex・gender/半陰陽/両性具有/性役割/性アイデンティティ/セクシズム /セクシュアリティ/フェミニズム/女性学/男性論/クィア・セオリー 2.性差の科学と科学言説におけるジェンダー テストステロン・エストロゲン/攻撃性/M尺度・F尺度/脳科学/性同一性障害 3.女性解放思想の歴史 ド・ラ・バール『両性平等論』 /オランプ・ド・グージュ『女性と女性市民の権利宣言』 /ウルストンクラーフト『女性の権利の擁護』/J・S・ミル『女性の解放』 4.フェミニズムの理論(1) 性差極小化論・極大化論/リベラル・フェミニズム/ベティ・フリーダン/NOW /ウーマンリブ/CR/アファーマティヴ・アクション 5.フェミニズムの理論(2) ラディカル・フェミニズム/フロイト派フェミニズム/エディプス・コンプレックス/去勢コンプレ ックス/シモーヌ・ド・ボーヴォワール『第二の性』/家父長制 /母性イデオロギー/公的領域・私的領域 6.フェミニズムの理論(3) マルクス主義フェミニズム/性分業/再生産労働/ブルジョワ型単婚家族 /ロマンチックラヴイデオロギー/家族賃金/資本制と家父長制 7.フェミニズムの理論(4) 文化フェミニズム/女性原理/ポストモダンフェミニズム/フェミニズム批評 /バトラー『ジェンダー・トラブル』/サバルタン/フーコー『性の歴史』 8.ジェンダーの社会化 役割取得/予期的社会化/モデリング/道徳性の発達/ギリガン/ラベリング 9.学校教育におけるジェンダー ヒドゥン・カリキュラム/混合式名簿/ホーナー効果/ジェンダーフリー教育 10.コミュニケーション・ マスメディア・文化におけるジェンダー ロマンスの文化/会話/美/少女文化・少年文化/「オタク」と「腐女子」 11.ライフコースにおけるジェンダー(1) 恋愛・結婚 シンデレラ・コンプレックス/年齢規範/階層移動/晩婚化/パラサイトシングル 12.ライフコースにおけるジェンダー(2) 進路選択・職業生活 M字型就労/男女雇用機会均等法/二重労働市場/セクシャル・ハラスメント 13.ライフコースにおけるジェンダー(3) 家庭生活 少子化/性役割分業/第三期 14.まとめ |
評価方法 | 平常点(レポートを含む)10%、定期試験90%により評価する。 |
テキスト | 特に用いない。参考文献は授業時に指示。 |
その他 |