南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3
担当者
西脇 純
他の科目との関連 ラテン語の基礎を修得していること。
他学科履修 不可
副題 典礼音楽発展史およびラテン語文献講読
授業概要  キリスト教典礼において、音楽は常に重要な地位を与えられてきました。それは、キリスト教徒が、「二人または三人がわたし(キリスト)の名によって集まるところには、わたしもその中にいる」(マタ18:20)との聖句を拠り所とし、典礼の集いがこの世におけるキリストの現在のしるしであると考え、特に、音楽という典礼共同体の営みのただなかにキリストが現在すると考えてきたからといえましょう。ちょうどイコンが神的世界と人的世界とを結ぶメディアであり門であると言われるのと同じように、音楽もまた、神の現在に感応するための必要不可欠なメディアだとキリスト教は考えています。神の現在への感応は、「神の偉大なわざ(magnalia Dei)」(使2:11)とキリスト教会が呼ぶ、「救い」への希望(信仰)を惹き起こします。この「救い」の豊かさを折々に綴るものが、「秘跡」と呼ばれる主要な七つの儀式(洗礼、堅信、聖体[ミサ]、ゆるし、病者の塗油、結婚、叙階)、また、クリスマス、イースター、聖体行列などの季節の典礼であり、こうしたさまざまの典礼での実用のために書かれた音楽を「典礼音楽」と呼んでいます。
 本演習では、中世の典礼音楽に焦点をあてつつ、「神の偉大なわざ」を語り継いだキリスト教音楽の発展史を学びます。また、典礼音楽の膨大なレパートリーの中から代表的なラテン語聖歌をいくつか取り上げ、そのテクストを講読いたします。
 研究プロジェクト(卒業論文)に取り組む方は、演習で紹介される作品のなかから一つを選び、その成立背景やテクストの神学内容をより入念に調べ、ご自分なりにまとめることをもって、卒業論文としてください。
学修目標 1. 典礼および典礼音楽に関連する文献の収集整理、それらの読解の技術、さらには(卒業)論文作成に必要なスキルとモラルの修得を目指します。
2. 必要に応じ、四角譜によるグレゴリオ聖歌歌唱の修得を目指します。
授業計画 1.    はじめに
2.〜9. テキスト講読
10.〜14. ラテン語聖歌講読
評価方法 出席15%、受講態度15%、口頭発表30%、レポート40%により評価いたします。
テキスト J.ハーパー著/佐々木勉・那須輝彦訳『中世キリスト教の典礼と音楽』(教文館、2000年)をテキストとして使います(要購入)。
その他、適宜プリントを配布することがあります。
その他