南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3
担当者
後藤 明
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題  教育ツールとしての航海カヌー
授業概要  カヌーや航海術は理科・文化・体育のような枠組みを超えた総合的な横断的な知識である。理科的といえば海洋学、船舶工学、天文学、気象学などの知識の総合である。一方航海術は秘技として口承で、神話のような語りの中で伝えられてきた意味で「文化系」的な知識でもある。さらにカヌーを乗りこなすには体の動き、身体技法の習得が必要であり、その意味でスポーツでもあり、個々の乗り手は文化伝統にそった「美しい乗り方」、船大工はそれぞれの美的センスに基づいてカヌーを作るのである。つまりカヌーを作り、乗ることは総体として「技芸」というべきものである。このような既存の枠組みでは捉えられない技芸を深く理解した上で、カヌーを文化人類学の研究・教育の対象だけではなく、文化復興や教育ツールとして実践活動をしている人びとの取り組みを通して、人類学の社会貢献という観点から自らの卒業研究のテーマをみつけ、アプローチの方法を見つけることを望む。
学修目標  基本的知識の習得、プレゼン、諸文化イベントへの参加等を通して、講師が日本、ハワイ、グアム、台湾、フィリピンなどの研究者、オーシャンアスリート、映像作家、学校関係者、博物館・水族館・天文台関係者、先住民文化復興グループなどと模索している文化復興・教育支援ネットワークの基盤作りに共に取り組みたい(参照 http://island.geocities.jp/waleasi/)。
授業計画 1:ガイダンス
2〜5:ビデオや写真を見ながらカヌーや海洋文化の比較観察法の概説
6〜14:学生各自の割り当ての発表、プレゼン(テキストの内容および自らの研究活動プラン等に関して)
評価方法  出席点およびゼミ全般に対する参加態度(50%)、口頭報告およびレポート(50%)の総合点。

テキストと読書案内(必要に応じてプリントも使用、随時読書案内は追加する)
テキスト:後藤 明『海を渡ったモンゴロイド』、第2版、講談社選書メチエ。
テキスト
その他  参考書として春日直樹編『オセアニア・オリエンタリズム』;小坂井昌晶『民族という虚構』、東京大学出版会;後藤 明・松原好次・塩谷亨編『ハワイ研究への招待』、関西学院大学出版会、その他。