南山大学

 
指定
期間
夏期前半
単位
年次
2〜4
担当者
池谷 信之
他の科目との関連
他学科履修
副題  「黒曜石考古学の射程」
授業概要  旧石器時代・縄文時代を通して石器の主要な石材となった黒曜石の研究は、近年の化学的原産地分析と原産地の考古学的調査の進展によって、「黒曜石考古学」として学問的領域を形成しつつある。本科目ではその研究のあゆみ・方法論・実践例をとおして「黒曜石考古学」が向かうべき方向を展望する。
学修目標  まず「黒曜石考古学」を支えている原産地の化学的推定法、その基礎となる黒曜石の鉱物学的・化学的特徴を理解する。続いて黒曜石研究のあゆみを振り返りながら、その到達点と課題を確認する。さらに黒曜石利用の開始から終焉までの各段階における研究実践例を紹介し、「黒曜石考古学」が社会構造の変化を解き明かす考古学上の有力な一分野を成していること、さらにその向かうべき方向を理解する。
授業計画 1.黒曜石原産地神津島への航海
2.火成岩としての黒曜石とその産状
3.黒曜石の産地推定法
4.黒曜石研究のあゆみ
5.旧石器時代1−環状ブロック群の形成と黒曜石の受給
6.旧石器時代2−集団の移動と石材管理(1)
7.旧石器時代3−集団の移動と石材管理(2)
8.旧石器時代4−旧石器時代の海上渡航と黒曜石原産地
9.縄文時代1−黒曜石の供給と縄文化の過程(1)
10.縄文時代2−黒曜石の供給と縄文化の過程(2)
11.縄文時代3−アカホヤ火山灰下の集団移動と生業
12.縄文時代4−神津島原産地の開発と見高段間遺跡の形成
13.縄文時代5−中期的生業と中部高地の黒曜石原産地
14.弥生時代−狩猟社会の終焉と縄文的石器製作体系の解体
15.定期試験
評価方法 小レポート30%、定期試験70%により評価する。
テキスト 適宜資料を配付する。
その他