23211 教育学概論1,2
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選必 |
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春学期 秋学期 |
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2 |
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1〜4 |
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加藤 隆雄 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | |
授業概要 | 「子ども」という表象、「学校」という制度、「教育」という関係がどのように形成されたのかについて、歴史的観点から概説する。まず授業の前半では、学校の歴史を概説する。古代ギリシア・中世ヨーロッパの教育やがどのように社会制度や思想構造と関係していたかを述べ、中世については特に大学の成立を詳しく解説する。続いて近代ヨーロッパにおいてどのような社会的条件や思想的な状況が公教育制度を生み出したかについて述べる。授業の後半では、まずルソーに始まる児童中心主義的な思想を解説する。続いて、近代的な「子ども」観がどのように成立したかについて、アリエスらの歴史研究だけでなく、児童文学の歴史もふまえながら解説していく。最後に、20世紀にそのような子ども観がどのように浸透していったかを、教育学と発達心理学の領域においてたどっていく。 |
学修目標 | 1.古代・中世の学校制度との比較から、近代の学校教育の特徴を把握する。 2.中世の大学の成立過程を理解し、現代の教育システムとのあり方と比較する。 3.近代の公教育を作りあげた様々な要因について認識する。 4.現代の教育制度の中核をなしている児童中心主義の思想を理解する。 5.われわれの持っている子ども観がどのように確立されたのか理解し、子どもに対する客観的視点を獲得する。 6.子ども・学校・家族と教育との関係を通時代的に把握することで、現代の教育問題について深く見通す視点を身につける。 |
授業計画 | 1.現代における学校・教育・子ども・家族 2.学校の歴史(1) 古代 スコレー/弁論術/パイデイアー/アカデメイア/ルードゥス 3.学校の歴史(2) 中世 教会学校/都市学校/自由七科/ウニべルシタス/スコラ哲学 4.学校の歴史(3) 近代における学校の誕生〈ドイツ〉 公教育/ラトケ/コメニウス『大教授学』『世界図絵』 5.学校の歴史(4) 近代における学校の誕生〈フランス〉 コレージュ/ラ・シャロッテ/コンドルセ/国民学寮 6.学校の歴史(5) 近代における学校の誕生〈イギリス〉 パブリック・スクール/ベル=ランカスター方式/パノプティコン 7.近代における教育の誕生(1) ルソー/啓蒙思想/『エミール』/消極教育/児童中心主義 8.近代における教育の誕生(2) ペスタロッチ/直観主義/フレーベル/恩物/幼稚園 9.近代における子どもの誕生(1) 「子ども」の誕生 アリエス/マンタリテ/スウォドリング/ブルジョワ型単婚家族 10.近代における子どもの誕生(2) 児童文学の誕生 チャップブックス/ペロー寓話/スウィフト『ガリヴァ旅行記』 11.近代における子どもの誕生(3) 児童文学の発展 初版グリム/アンデルセン/『ハイジ』/『ピーター・パン』 12.児童科学の成立と発展(1) 20世紀の児童中心主義思想 モンテッソーリ/デューイ/「小さな学校」/パーカースト 13.児童科学の成立と発展(2) 児童科学と心理学の成立 タブラ・ラサ/ダーウィン/フロイト/発達心理学 14.児童科学の成立と発展(3) 現代の児童教育研究 ゲゼル/ピアジェ/ニイル/新教育運動/フリースクール 15.定期試験 |
評価方法 | 平常点10%、レポート10%、定期試験80%により評価する。 |
テキスト | 毎回資料を配付する。 |
その他 |