南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
安原  毅
他の科目との関連
他学科履修
副題 開発経済学の諸理論
授業概要 アジア、ラテンアメリカの低開発国・工業化初期段階諸国の経済開発に関する理論と政策を扱う。各国の状況を紹介してから、開発経済学の中心的な理論を講義する。特に標準的な経済学だけでは把えきれない論点を重点的に取り上げる。従って受講者は経済学の基礎的な科目(担当者は問わない)を前もって受講していることが望ましいが、予備必修は特にもうけない。
学修目標 開発・低開発の問題を様々の角度から検討することで、開発政策についての理解を得ることを目的とする。政策を学ぶというとそれだけで中央志向・権威主義だと思う人がいるかもしれない。しかし我々が払う税金が各国で使われている限り、我々は世界の開発を理解し批判する責任を負う。難しいことはお上任せにして無関心を決めこむ姿勢こそが権威主義である。
授業計画 1.「開発」とは何か?開発政策をマクロ経済学で議論することの意味
2.マクロ経済学の復習
3.工業化政策の各国比較:輸入代替工業化と輸出志向工業化
  ヌルクセ、ハーシュマンの開発理論
4.経済成長論:ソロー・モデル
5.ルイス・モデル:無制限労働力供給モデル、賃金主導型蓄積と利潤主導型蓄積
6.貯蓄と投資のバランス
7.レポート発表:アジアとラテンアメリカにおける開発政策の比較
8.国際収支勘定の読み方
9.貿易の役割:為替レート、比較優位論、プレビッシュ=シンガー命題
10.貿易自由化の静態的効果と動態的効果
11.開発の国際収支制約理論
12.資本移動自由化:直接投資・対外債務と開発の国際収支制約
13.アジアとラテンアメリカにおける開発の国際収支制約
14.まとめ、工業化と貿易の関係
15.定期試験
評価方法 レポート20%、定期試験80%
テキスト 柴田徳太郎編(2008)『現代経済学—市場・組織・制度』岩波書店
稲田、大橋、狐崎、室井(2000)『国際開発の地域比較』中央経済社
Thirlwall, A. P.,(2003) Growth and Development with Special Reference to Developing Economies, 8thed.
その他 参考書として以下の本を参照すること:
世界銀行/白鳥正喜監訳/海外経済協力基金開発問題研究会訳(1994)『東アジアの奇跡:経済成長と政府の役割』東洋経済新報社
Amsden, Alice H.,(2001) The Rise of “the Rest”, Challenges to the West from Late-Indusitrializing Economies, Oxford University Press.
小池洋一・遅野井茂雄他編(1999)『図説ラテンアメリカ経済』 日本評論社