南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
藤本 哲史
他の科目との関連
他学科履修
副題 ジェンダー化する労働と組織−社会学的考察−
授業概要  本科目の主な目的は、現代労働組織におけるジェンダーの問題について、労働社会学および組織社会学の知見をもとに検討することにある。アメリカの経験をひとつの分析ツールとして用いることで、現代日本における雇用労働とジェンダーの諸問題に焦点をあて分析を進める。学期の前半は、雇用労働における男女差別の構造、性別職務分離の発生メカニズム、また昇進や賃金における性差の問題等を中心に考察する。さらに学期後半では、昨今わが国において注目される「ワーク・ライフ・バランス」および「ワーク・ファミリー・コンフリクト」の話題を取り上げ、従業者の仕事と家庭生活の両立、男性の育児休業、また企業によるWLB施策、その問題点、またわが国にとっての今後の課題について考える。
学修目標 ジェンダーの視点を通して、現代社会における雇用労働の問題に関する分析力を涵養すること。またアメリカの経験をもとに、日本の経営組織におけるジェンダーの問題を考察すること。また、就職や就職活動をひかえた学生に、「働くこと」に関する問題意識を喚起し、「働き方」「生き方」に関する視点を提供すること。
授業計画 (主な内容)
第1回 イントロ:本科目のねらい、SexとGender、性の階層化について
第2回 Gendered Work, Gendered Organizationの特徴
第3回 Doctrine of Separate Spheresと労働のジェンダー化
第4回 雇用労働における男女差別の関連要因:文化的価値観、権力作用、事業主の行動等
第5回 Occupational Sex Segregation:現象と歴史的変遷
第6回 Sex Segregation:現状と問題点、Occupational Feminizationの問題
第7、8回 Segregationの規定因:事業主、男性従業員、女性従業員はいかに関与するか
第9回 昇進の男女差と組織構造:「ガラスの天井」「職務階梯」との関連性
第10回 賃金の性差別:問題性、労働生産性との関連、Comparable-Worth Discrimination
第11、12回 「ワーク・ライフ・バランス」と「ワーク・ファミリー・コンフリクト」:意義と問題点
第13回 ファミリー・フレンドリー企業:事業主による従業者支援施策の展開と課題
第14回  男性(父親)のWLB:男性の育児と社会
第15回 定期試験
評価方法 期末試験 100%
テキスト 指定テキストなし
その他