南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3
担当者
COURRON David
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 欧州統合の挑戦:多様性の現実と「欧州合衆国」への夢
授業概要
学修目標
授業計画 今年からは、2年間を1サイクルとして、1951年以来のヨーロッパ統合の過程をとりあげて、その起源、成立、機能、進展、現在の問題点などについて考えてゆきます。今年度は特に欧州構築の歴史と概要に注目したいと思います。2004年、中東欧10カ国が新たにEUに加わりました。これにより欧州大陸の東西冷戦の最後のつめ跡を消し去って、欧州全体の再会が果たされましたが、そればかりではありません。ヨーロッパの構築は、1951年4月18日、フランスを含む6カ国によるヨーロッパ石炭鉄鋼共同体条約の締結に始まりましたが、2004年の新たな段階を迎えてヨーロッパの構築の新たな方向付けが必要になってきました。実際、25の加盟国からなるEUは、もはや6カ国のときと同じようには機能しません。つまり制度の改革(各加盟国の代表の配分、意思決定方法、種々の機関間での権限の再配分等)が必要になるのです。一方、EU機構の将来についての議論は始まったところで欧州憲法条約の批准に対するフランス国民投票の否決で難航してしまいました。ヨーロッパ憲法起草の問題、EU大統領の創設、EU共通市民権の導入をめぐる論議は、欧州構築の意味を共同市場から連邦型国家へと移行させ、必ず根本的に変える提案に至るでしょう。ところで既に、私達はEUの性質について問題を立てることができます。EUは既に超国家なのでしょうか?EUは既に、事実上の「欧州合衆国」になったのでしょうか?この議論の重要性を理解することは欧州の国民だけの義務ではありません。欧州の未来像の地政学的影響は日本を始めとするアジア諸国にも関係してくるでしょう。それ故、新聞記事やテレビニュースを通して一緒に以下のことを探ります。

春学期:EUの規約と権限またはEUの制度的組織(1)
    (1)〜(4) 欧州統合の歴史—ECからEUまで
    (5)〜(6) EUの規約
    (7)〜(10) EUの権限
    ⑪   EUの制度的組織の基礎
    ⑫〜⑭ EUの制度的組織:閣僚理事会(構成、役割、運営)

秋学期:EUの制度的組織(2)、EUの活動手段またはEUの対外関係
    (1)〜(4) EUの制度的組織:欧州委員会、欧州議会、欧州司法裁判所
    (5)〜(8) EUの制度的組織:検査機関と諮問機関
    (9)〜⑪ EUの活動手段
    ⑫〜⑭ EUの対外関係
評価方法 単位取得は論文と出席状況により決定するが、学生の積極的参加(各自の研究の進行状況に関する発表で評価)も考慮する。
テキスト プリント配布
その他 (参考文献)
1.Isaac Guy, Blanquet Marc, Droit g始屍al de l'Union europ仔nne, 9塾e 仕ition, Paris, Armand Colin, 2006.
2.Debbasch Charles, Pontier Jean-Marie, Introduction la politique, 5塾e 仕ition, Paris, Dalloz, 2000.
3.Ch液elet Fran腔is, Duhamel Olivier, Pisier プelyne, Dictionnaire des oeuvres politiques, 1俊e 仕ition, Paris, PUF-Quadrige, collection R伺屍ence, 2001.
4.Lavroff Dmitri Georges, Les grandes 師apes de la pens仔 politique, Paris, Dalloz, 1993.
5.島野卓爾、岡村尭、田中俊郎編著、「EU入門」、有斐閣、2000年
6.篠原一著、「ヨーロッパの政治・歴史政治学試論」、東京大学出版会、2000年
7.滝沢正著、「フランス法」、第2版、三省堂、2002年