南山大学

 
指定
期間
夏期前半
単位
年次
2〜4
担当者
安部 哲夫
他の科目との関連
他学科履修
副題 犯罪と刑罰をめぐる現代的諸問題
授業概要  本講義は、犯罪予防や犯罪対策さらには刑事制裁のシステムについて検討を進めるものである。犯罪者の処遇や被害者の保護政策などのように、近年、刑事立法や刑事司法をめぐって新たな重要課題が示されてきている。講義では、こうした動きを題材としつつ、刑事政策のあるべき理念と立案を論じる。
 犯罪に対する認識と問題意識は、私たちの身近なものになったが、それだけに安易な判断ではなく、幅広い情報を駆使してより深い洞察が必要であろう。法律学としての刑事政策は、めまぐるしく動く現実に目を向けるとともに、普遍的な政策理念との調和をどう講じるかにかかっている。「刑事政策なき刑法学は盲目であり、刑法学なき刑事政策は危険である」とのF.v.リストの言葉をかみしめて講義に臨みたい。
学修目標 1.犯罪現象及び犯罪対策、犯罪者処遇について正確な認識を形成すること。
2.近年の刑事立法の動きについて正確な情報を獲得すること。
3.刑罰制度の理念と実情についての正確な知識をもつこと。
4.以上の認識をもとに、刑事司法のありかたについて確固たる信条を培うこと。
5.犯罪学、被害者学及び刑事政策における基本的概念、学説を習得すること。
授業計画 1.刑事政策の理念と今日的動向
2.犯罪現象及び犯罪原因論と刑事政策
3.刑事制裁論と刑罰の意義、内容
4.死刑制度の論点と克服へ向けて
5.財産刑の意義と課題
6.自由刑の意義と課題
7.施設内処遇と行刑改革
8.社会内処遇の意義と課題
9.少年犯罪と少年司法
10.薬物犯罪の現状と対策
11.来日外国人犯罪の現状と対策
12.触法精神障害の現状と対策
13.組織犯罪及び暴力団の現状と対策
14.女子犯罪及び高齢者犯罪の現状と対策
15.総括と試験
評価方法 出席20%、最終日の試験80%で評価する。
テキスト ・安部哲夫・守山正(編)『ビギナーズ刑事政策』成文堂、2008年
・法務総合研究所(編)『平成19年版犯罪白書』、2007年
その他 可能な限り資料を配布する。諸外国の動向などVTR等により紹介、検討する。