南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
高橋 広次
他の科目との関連 法哲学B
他学科履修
副題 法思想史概説
授業概要 古代ギリシア、古代ローマ、中世キリスト教、近世啓蒙期、近代、そして現代に至るまで、各時代のエポックを画した定評ある法思想あるいは法理論を選んで、共通のテキストに基づいて紹介し、それらの間で一貫して追求される主要な法問題の争点を理解するとともに、実際に歴史上果たした法制度への影響について論及する。
学修目標 現代に生活している我々は、今日の法思想のみ知っていれば、それで十分ではないかと考えたりする。しかし、現代の新奇に見える法的議論といえども実は古代ギリシアの法思想であらかた提起されており、形を変えて登場しているに過ぎない。「法と道徳」「自由と平等」「強者と弱者」「個人と集団」との間の対立等、歴史の中で絶えず問われている根本問題を先人たちの思想的苦闘を通じて考え、かかる思想的遺産から解決に至る暗示を学び取る。
授業計画 1.古代ギリシアの法思想(1)ソフィスト、ソクラテス、プラトン
2.古代ギリシアの法思想(2)アリストテレス
3.古代ヘレニズム・ローマの法思想;ストア派、ローマ法原理
4.中世キリスト教の法思想;アウグスティヌス、トマス・アクィナス、晩期スコラ主義
5.近世の法思想(1)グロティウス、E.コーク、ホッブス
6.近世の法思想(2)ロック、ジェファーソン、ルソー
7.ドイツ観念論の法思想;カント、ヘーゲル
8.近代イギリスの法思想;ブラックストーン、ベンサム、オースティン、メイン
9.近代法実証主義の台頭と展開;サヴィニー歴史法学、プフタ概念法学、ドイツ一般法学
10.近代法実証主義の変貌(1)ゲルマニステン、独仏の自由法運動
11.近代法実証主義の変貌(2)法社会学派、利益法学、ナチ法学
12.新カント派法哲学(1)ラートブルッフの価値相対主義
13.新カント派法哲学(2)ケルゼンの純粋法学とイデオロギー批判
14.戦後再生自然法論の歩み;新トマス主義からフィニスの新自然法論へ
評価方法 定期試験が70%、中間試験が20%、授業出席が10%(履修規程により欠席過多の者は受験できない)。
テキスト 深田三徳・濱真一郎編著『よくわかる法哲学・法思想』ミネルヴァ書房、2007年
(本書の法思想史に当たる前半部分を「法哲学A」で講義し、法哲学基本問題の考察に当たる後半部分を「法哲学B」で講義する。
その他 特になし