92106 組織神学研究
|
選 |
|
秋学期 |
|
2 |
|
1・2 |
|
ャ |
講義題目 | 人間の尊厳に対するキリスト論の貢献 |
開講キャンパス | |
授業概要 | 4世紀までキリスト教徒にとって最大の問題は、自らキリストと仰ぐイエスと神との関係をどう理解すべきかとの問いであった。この人間が神と「同一本質」の神の独り子であることが明らかになった以上、神であることと人であることのバランスを保持するにはどんな表現を用いたらよいかという問題提起に変った。カルケドン公会議(451年)によって採択された教理(カルケドン信条)によれば、神的「本性」と人間的「本性」は、唯一の「ペルソナ」ないし「自存者」のうちに混合せず分割せず一致している。ところが従来の用語ではペルソナも自存者も自己のうちに生命をもつ本性が具体的に現れてくる形態という意味で通用していた。実際、普遍は個に優先するという発想が古代思想の大前提であった。唯一のペルソナ(ないし自存者)のうちに二つの本性が一致しているとすれば、個が普遍に優先することになり、教理の決着にカルケドン公会議の後2世紀半も要したのは、この発想転換が古代人にとって容易でなかったからである。教理は東方キリスト教の世界で決着したが、スコラの最盛期に至って、ついに西方キリスト教内にも浸透したところで人間の尊厳が大きな話題となった。 |
学修目標 | 以下の各項目の中から一つを選び、更なる文献等をふまえてレポートを書く。 |
授業計画 | 0.問題提起と文献紹介 1. 新約聖書の問題設定 2. 神とイエスとの関係 2.1.ユダヤ教伝承の限界 2.2.グノーシス主義の挑戦 2.3.ロゴス・キリスト論の展開 2.4.教理の決着 3.「まことに神であり、まことに人である。」 3.1.アレクサンドリア派の構想 3.2.アンティオキア派の反論 3.3.ラテン教父の貢献 3.4.カルケドン公会議 3.5.教理の決着 4.中世の西方キリスト教 4.1.カロリング朝の時代 4.2.スコラの最盛期 4.3.ペトラルカの発見 上記の計画は、講義の進行状況や受講者へのより適切な対応の必要性等により、 変更されることがあります。 |
評価方法 | レポート(80%)、出席、授業参加の姿勢など(20%)から総合的に評価する。ただし、南山大学大学院履修規程に照らして、欠席過多の場合は失格となり、単位取得はできません。 |
テキスト | |
その他 |