南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
宮沢 千尋
講義題目 民族誌を読む
開講キャンパス
授業概要  人類学にとって、理論研究と、フィールド調査に基づく民族誌は両輪をなす。本講義では、民族誌を実際に読むことにより、調査の仕方、民族誌の書き方を考察し、基本を身につける。
 本を読んでからフィールドに行くか、フィールドに行ってから本を読むか。実はこれはエバンズ・プリチャード以来の重大な問題であり、いまだに解決はついていない。
 もちろん先行研究を参考にクエスチョーを綿密に作りあげ、それを満たすことにも一定の効果はあろう。しかし、私の経験では、クエスチョナーを満たすことで対象の特殊性は失われ、したがって調査報告書は、どこかで読んだものをまた読まされているような気にさせられる。反対に本を読まずに行っても、自分の調査対象の重要性に気づかないことになってしまう。こんなことをモノグラフを読みながら討論したい。
学修目標  民族誌を受講者一人一人が自分の方法で描けるようなひとつのモデルとして扱う。課程博士は研究のゴールではなく、今やデビュー戦にすぎない。そして日本の人類学会では、それはフィールドワークを伴うものでなければ評価されにくい。くりかえしになるが自分の方法で民族誌を書くということは、他人の博論とはちがう何かが欲しい。「本をしっかり読んでフィールドに行ったら全然ちがっていた」などと言うことはザラである。そんな時でもあわてないで、フィールド対象の他にない個性をどう見つけるか。そんなことも考えていきたい。
授業計画 1〜3 人類学にとって、なぜ参与観察やフィールドワークが不可欠のものになったのか、人類学の歴史とともに振りかえる。もちろん問題点にもふれる。
4〜14 担当者の専門(社会人類学、歴史人類学)と受講生の希望を考慮に入れ、最初に章ごとにまとめてくる者を決定し、読みすすめていく(日本語文献あるいは英語文献)
 15  まとめ
評価方法 年度末レポート50%、講義への貢献度50%(レジュメの出来、発言)
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