南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1
担当者
富野 幹雄
川島 正樹
講義題目 南北アメリカ・環太平洋圏における奴隷制とその歴史的影響に関する国際比較を軸とした近現代史再考の試み
開講キャンパス
授業概要  「歴史と社会」に関する特定課題演習分野においては、異文化間ならびに異民族・人種間の相互理解と強制に基づく国際社会のあり方を探求するために、主として歴史学と社会学の学問領域を念頭に置きながら、「エスニシティー」、「人種」、「ジェンダー」をキーワードに、各領域に閉ざされることのない領域横断的な視座を含めながら、「歴史と社会」に関する理論的枠組みを探究する。
学修目標 最終的には「近代」の歴史的総体の根本的再考を試みる視座の確立を目指す。
授業計画  アメリカ合衆国史とブラジル史を専門領域とする2名の担当教員のコラボレーションによって、次のような要領で授業を展開する。それぞれの担当者は7回ずつ授業を担当する。( )内は授業回数を表す。
(川島担当部分)
はじめに(1)
1.英領北部米13植民地の成立と奴隷制(2)
2.アメリカ合衆国の独立と奴隷制の残存(2)
3.南北戦争と奴隷制の廃止(2)
テキスト: Mary Beth Norton, et al. eds., A People and a Nation, brief 7th ed., Boston, Houghton Mifflin Co, 2006.
参考書: 川島正樹編『アメリカニズムと「人種」』(名古屋大学出版会、2005年)、ロナルド・シーガル『ブラック・ディアスポラ』(明石書店、1999年)。
(富野担当部分)
はじめに(1)
1.主要な人種差別理論(3)
 1)アーリアン主義
 2)社会的ダーウィン主義
 3)優生学
2.ブラジルにおける差別の歴史(3)
 1)インディオの奴隷化と黒人奴隷制
 2)奴隷解放と外国移民
 3)民族主義と日本移民の排斥 
テキスト: アンソニー・W・マークス『黒人差別と国民国家』(春風社、2007年)。
参考書: 金七紀男他『ブラジル研究入門』(晃陽書房、2000年)、G・フレイレ『熱帯の新世界』(新世界社、1979年)、リーン・スミス『ブラジル—住民と制度』(中央公論社、1962年)、チャールズ・ワグレイ『ブラジル』(二宮書店、1971年)、大貫良夫編『民族交錯のアメリカ大陸』(山川出版社、1984年)、G・フレイレ『大邸宅と奴隷小屋(上・下2巻)』(日本経済評論社、2005年)、F・タンネンバウム『アメリカ圏の黒人奴隷制』(彩流社、1980年)、C・N・デグラー『ブラジルと合衆国の人種差別』(亜紀書房、1986年)。
評価方法 単元ごとのアサインメントを中心とする平常点および学期末の授業の「まとめレポート」による。
テキスト (上記「講義計画」の参考文献を参照)
その他