南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
2
担当者
富野 幹雄
川島 正樹
講義題目 南北アメリカ・環太平洋圏における「人種」関係に関する国際比較の試み
開講キャンパス
授業概要  「歴史と社会」に関する特定課題演習分野においては、異文化間ならびに異民族・人種間の相互理解と強制に基づく国際社会のあり方を探求するために、主として歴史学と社会学の学問領域を念頭に置きながら、「エスニシティー」、「人種」、「ジェンダー」をキーワードに、各領域に閉ざされることのない領域横断的な視座を含めながら、「歴史と社会」に関する具体的な事例研究を行う。
学修目標  具体的な事例研究に基づきながら、アメリカ合衆国とブラジルにおける人種・民族間の諸問題に関する今後の研究の指針として役立つ、基本的な知識の習得を目指す。
授業計画  「国際地域文化研究課題演習(歴史と社会)」に引き続き、アメリカ合衆国と史とブラジル史を専門領域とする2名の担当教員のコラボレーションによって、次のような要領で授業を展開する。それぞれの担当者は7回ずつ授業を担当する。( )内は授業回数を表す。
(川島担当部分)
はじめに(1)
1.アメリカ合衆国の南北戦争後の「国民」統合と「人種」をめぐるブラジルや南アフリカとの比較(3)
2.アメリカ合衆国の市民権運動とブラジルや南アフリカとの比較の視点(3)
テキスト: 川島正樹編『アメリカニズムと「人種」』(名古屋大学出版会、2005年)、アンソニー・W・マークス『アメリカ、南アフリカ、ブラジルにおける人種差別—人種と国民国家の誕生』(春風社、2007年)。
参考書: ロナルド・シーガル『ブラック・ディアスポラ』(明石書店、1999年)。
(富野担当部分)
はじめに(1)
1.ブラジルにおける「人種」をめぐる諸問題と具体的事例研究(3)
 1)人種民主主義の神話
 2)デグラーの「ムラート脱出口」説
 3)人種と社会・経済的不平等
2.比較の視点によるブラジルの「人種」の現状(3)
 1)南北アメリカ比較奴隷制論争
 2)タネンバウムの所説
 3)ブラジルとアメリカの人種差別
テキスト: アンソニー・W・マークス『黒人差別と国民国家』(春風社、2007年)。
参考書: 金七紀男他『ブラジル研究入門』(晃陽書房、2000年)、G・フレイレ『熱帯の新世界』(新世界社、1979年)、リーン・スミス『ブラジル—住民と制度』(中央公論社、1962年)、チャールズ・ワグレイ『ブラジル』(二宮書店、1971年)、大貫良夫編『民族交錯のアメリカ大陸』(山川出版社、1984年)、G・フレイレ『大邸宅と奴隷小屋(上・下2巻)』(日本経済評論社、2005年)、F・タンネンバウム『アメリカ圏の黒人奴隷制』(彩流社、1980年)、C・N・デグラー『ブラジルと合衆国の人種差別』(亜紀書房、1986年)。
評価方法 単元ごとのアサインメントを中心とする平常点および学期末の授業の「まとめレポート」による。
テキスト (上記「講義計画」の参考文献を参照)
その他