南山大学

 

【科目コード】97611

【科目名称】金融工学

【担当者】田畑 

【単位数】2                    【配当年次】1秋・2    【開講期】春学期

 

【授業概要】

資本市場において資金がどのように効率的に配分され、その結果、各種証券の均衡価格がどのように形成されるかを解明することを目的とする。そのために、投資と資金調達に関する意思決定を科学的に支援する方法を数学モデルを用いて提供する。とくに、最適化と裁定、および、均衡の概念に主眼を置き、各種の証券の市場での価格評価式を誘導する。その際に必要な線形代数、確率過程、確率解析などの数学的バックグラウンドについても触れる。

【到達目標】

金融リスクを管理するための各種手法とデリバティブの価格付けの方法を理解すること

【授業計画】

  

1.   資本市場の役割と各種証券について

2.   証券投資とリスク

(1) 資産価格と確率分布 (2) 確率変数、期待値、分散など

3.   ポートフォリオ戦略(1)

(1) ラグランジュの方法と最適化 (2) マルコビッツモデル

4.   ポートフォリオ戦略(2)

(1) 資本資産評価モデル(CAPM) (2) インデックスファンドの構成

5.   確率過程入門(1)

(1) 確率過程とは (2) ブラウン運動 

6.   確率過程入門(2)

(1)         確率微分方程式と伊藤の補題 (2)条件付期待値とマルチンゲール

7.   問題演習と小テスト

8.   各種の派生証券の性質

(1) 先物と先渡し (2) オプションとその性質

9.   ブラック・ショールズモデル

(1) ヨーロッパ型コールオプションの評価式 (2)  ブラック・ショールズの公式

10.無裁定価格理論とマルチンゲール

11.アメリカ型オプションと最適行使問題

12.さまざまなエキゾチックオプション

13.債券の理論価格と金利モデル

14.資産価格評価の偏微分方程式とモンテカルロ法

15.調整日

【評価方法】

中間試験 30%

期末試験 50%

レポート 20%

【テキスト】

とくに指定しない

【参考文献】

田畑雄:金融工学入門(エコノミスト社)

田畑雄:数理ファイナンス論(牧野書店)

澤木勝茂:ファイナンスの数理(朝倉書店)