南山大学

 

【科目コード】97657

【科目名称】職務満足とパフォーマンス

【担当者】高橋 弘司

【単位数】2                    【配当年次】1秋・2    【開講期】春学期

 

【授業概要】

従業員の職務満足がパフォーマンス(業績)に与える影響について包括的に理解する。個別テーマとしては、職務満足の諸理論、動機づけの諸理論、職務満足・動機づけがパフォーマンスに与えるインパクトと高揚施策である。これらの内容を受けて、職務満足とパフォーマンス双方に大きな影響を与える給与制度について、企業での職能給・職務給・成果給制度をケース・スタディとして取り上げてディスカッションを行い、その特徴と制度設計に関する実習を行う。

【到達目標】

 人的資源管理における組織側の最重要事項である従業員個人のパフォーマンス(業績)を高めるために、個人の職務満足および動機づけを高揚させることの意義について理解する。さらにそのための包括的人的資源管理制度、特に給与制度について実際の制度設計に至るまで習熟する。

【授業計画】

  

1.          職務満足

(1)職務満足とその重要性 (2)これまでの企業経営における職務満足の取り扱い (3)職務満足と動機づけ

2.        パフォーマンス

(1)パフォーマンスとは (2)パフォーマンス評価と納得性

3.          職務満足・パフォーマンス・給与制度

(1)3概念の関連性 (2)データ実習

4.        職務満足の諸理論(1)

(1)ハーズバーグの理論 (2)価値充足理論 (3)ケース・スタディ

5.          職務満足の諸理論(2)

(1)職務拡大・職務充実の理論 (2)職務再設計理論 (3)傾性的アプローチ (4)ケース・スタディ

6.        動機づけの諸理論(1)

(1)マズローの理論 (2)マグレガーの理論 (3)ケース・スタディ

7.          動機づけの諸理論(2)

(1)ブルームの理論 (2)アダムスらの理論 (3)ロック=レイサムの理論 (4)ケース・スタディ

8.        人員計画と給与制度

(1)「誰」に「いくら」「どうやって」のあいまいさ (2)「得をするのは誰か?」という消えない疑問への対処

9.    給与制度(1):職務給

(1)職務給制度の特徴と長短 (2)職務給の現状と方向性 (3)ケース・スタディ

10.            給与制度(2):職能給

(1)職務給制度の特徴と長短 (2)職務給の現状と方向性 (3)ケース・スタディ

11.       給与制度(3):成果給

(1)職務給制度の特徴と長短 (2)職務給の現状と方向性 (3)ケース・スタディ

12.       保証・担保されるべき指標

(1)公平性 (2)信頼 (3)ケース・スタディ

13.       パフォーマンス高揚(1):計画と実施

(1)給与制度の変革 (2)その他の制度の導入 (3)実習

14.       パフォーマンス高揚(2):評価と調整

(1)導入後のサーベイ評価 (2)変更の注意点 (3)実習

15.       まとめ

(1)これまでの復習

評価方法

筆記試験 20

  期末試験 20

課題 20

クラスへの貢献度 60%

  ディスカッション・ケーススタディ分析への参加度

【テキスト】

金井壽宏『働くみんなのモチベーション論』NTT出版

【参考文献】

元井弘『役割業績主義人事システム』生産性出版

【備考】

各回の講義に際しては必ず事前に予習(リーディング・アサインメントの読解、事例の分析など)を行い、講義中のディスカッションに備えておくことが大前提である。したがって、講義中の発言量が少ないと判断される受講者に対しては単位を与えない。実務経験の有無に関わらず実際の組織やマネジメント現場に即した発言は必須であり、実務経験のない受講者はさらに詳細な予習をすることが望まれる。