南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
高畑 祐人
他の科目との関連
履修対象学科
副題
授業概要  今日、われわれと自然との関わり方が大きく問題とされている。しかし、われわれの自然への関わり方は、われわれの「自然」の捉え方によって規定されている。しかも、われわれの自然の捉え方は今日では本来的に西洋文化である自然科学(機械論的自然観)によって大きく規定されている。しかし、西洋哲学思想史をひもとけば、たんに自然科学的な自然観だけが存在したのではないことが分かる(有機体的自然観・美的自然観)。そこで、この講義では哲学思想史を「自然」の概念に注目して概説し、人間と自然のより適切な関わり方はどうあるべきかを探ってみたい。
学修目標 1)哲学という知が他の知(科学)や思想(宗教・芸術)とどのように異なるか。
2)哲学の歴史を貫いている二つの対立する自然観の特長を把む。その対立を解消する可能性としての美的自然観の意義を把む。
3)何よりも、哲学とは主体的に考えることが大切であり、個別の知識を暗記してすますものでないことを身をもって把んでほしい。
授業計画 1.なぜ「自然」の哲学か:現代エコロジー思想における自然観の対立
2.神話に見る自然観−ギリシヤ神話におけるプロメテウスー
3.ソクラテス以前の自然哲学(1)−−ミレトス学派・ピタゴラス派
4.ソクラテス以前の自然哲学(2)−−エレア派・ヘラクレイトス
5.ソクラテス以前の自然哲学(3)−−エンペドクレス・デモクリトス・アナクサゴラス
6.ソクラテス
7.プラトン哲学の自然観
8.アリストテレス哲学の自然観
9.キリスト教の自然観
10.デカルト哲学と自然観
11.進化論の自然観
12.カント哲学の自然観(1)理論的自然観
13.カント哲学の自然観(2)実践哲学からの自然観
14.カント哲学の自然観(3)美的・情感的自然観
15.学期末試験
評価方法 学期末の筆記試験
テキスト  特に指定しない。参考文献として シュヴェーグラー『西洋哲学史』上・下(岩波文庫)、レオポルド『野生の声が聞こえる』(講談社学術文庫)、エマソン『エマソン論文集』上(岩波文庫)などを挙げておく。講義の中でも適宜紹介していく。
その他