南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
上野  宏
講義題目 政策評価の位置づけ、目的、理論、方法、行政改革、自己革新
開講キャンパス 瀬戸キャンパス
授業概要  近年多くの国で公共行政について、その政策、執行方法・制度・組織の、効果性・効率性・妥当性・インパクト・自立発展性等に疑問が呈せられ、改善が提言され、実施されてきている。その中心をなしてきたものの一つが政策評価である。日本においても「政策の評価に関する法律」が2001年に成立し2004年4月から施行された。本授業では政策評価の望ましいあり方を考察する。
学修目標  本授業は、政策評価の望ましいあり方を考察することを目標としている。従って評価理論と方法が中心となる。理解のために具体的実践例も成るべく紹介するが、実践例は総合政策特別研究(ニュー・パブリック・マネジメントNPMの実践)に詳しいので、それをあわせて履修することが望ましい。以下を理解することを学習目標とする:政策評価の政策プロセス内での位置づけ、目的、理論、方法、行政改革との関係、自己革新との関係。
授業計画 イントロダクション:NPMの重要部品としての政策評価
I.政策評価の全体枠組み
  1.政策評価とはなにか?
  2.政策プロセスと政策評価の枠組み:パラレル政策プロセスと国の評価制度
II.政策課題の分析・評価
  3.PCM、PDM、DACの5評価基準、ロジック・モデル
III.政策の事前評価(program analysis)
  4A.政策の事前評価
  4B.プログラム分析
  4C.パイロット・プロジェクトの実験による設計改善
  5.コスト分析(ABC:活動基準原価計算)、費用便益分析
  6.NPM、市場競争による評価(市場化テスト、民営化)
IV.政策の執行中評価
  7.業績測定と業績経営1(performance measurement and management1):短期ルーチンとしての業績検査
  8.業績測定と業績経営2(performance measurement and management2)
  9.業績測定と業績経営3:ベンチマーキング、ICMAによるベンチマーキング、バランスト・スコアカード
V.政策の事後評価
  10.プログラム評価1(program evaluation1)
  11.プログラム評価2、マニフェストによる事後評価:業績(又は成果)検査
VI.事後評価から始まる予算編成、執行中評価と事後評価の予算へのフィードバック
  12.GPRA、GAO、Part
VII.行政改革
  13.制度・組織の事後評価:PEFAの業績測定枠組み
  14.評価とシンク・タンク、市民参加、協働、自己革新
VIII.期末テスト
評価方法  定期試験で評価する(100%)。
 但し必要と認めた場合は、出欠状況も加味する。
テキスト  適宜、講議ノートを配布する。加えて、
 第1テキスト:ハトリー(訳2004)『政策評価入門』東洋経済新報社
 第2テキスト:Morse, Kristin, and Raymond Struyk(2006), Policy Analysis for Effective Development : Strengthening Transition Economies, Lynne Rienner Publishers, Boulder, London.
 第3テキスト:古川=北大路(2004)『新版、公共部門評価と理論と実際』日本加除出版
その他  現時点では、上記のように計画しているが、少々盛りだくさんに計画し過ぎている観がある。したがって、実際にはじめてみるとトピックを減らさざるを得なくなるかもしれない。それらの変更は適宜アナウンスする。