南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
2
担当者
柳澤 田実
他の科目との関連 特になし
履修対象学科
副題 キリスト教にみる「愛」の諸相
授業概要 南山大学の教育、研究の基礎をなすキリスト教的ヒューマニズムを身につけるために、キリスト教の歴史やその中心的な教えを旧約聖書・新約聖書に基づいて考察する。イエス・キリストの人となりやその教えを理解することにより、人間の文化活動の根底にある宗教的ヒューマニズムを学ぶ機会を提供する。
学修目標  この講義では、私たちの日常的な言語表現にも頻繁に登場する「愛」という概念について、様々な観点から考察します。キリスト教の中心的思想が「愛」の実践にあることはよく知られています。新約聖書によれば、イエス・キリストは「愛」に関する教えを説いて自らそれを実践したとされており、後世のキリスト教世界の哲学者および思想家は、聖書の記述に立脚しつつ、より抽象的で概念化された「愛」の思想を構築してゆきました。本講義の前半は、イエスの前段階とも言える旧約聖書と新約聖書に記されたイエス自身の愛の実践を扱います。そして後半では、これらの聖書の記述を土台に展開した西欧の思想史における「愛」に関わる様々なテーマ(「憐れみ」の感情・自己愛・恋愛など)を扱います。これらを多角的に検討することによって、ほとんど使い古された感すらあるこの概念の、アクチュアルな意義と可能性を再発見することが目指されます。
授業計画 1.イントロダクション
2.旧約聖書における愛I(『創世記』人間創造と性愛)
3.旧約聖書における愛II(『創世記』高慢はすべての罪の原因か?)
4.旧約聖書における愛III(『創世記』バベルの塔と人類の分裂)
5.旧約聖書における愛IV(預言者モーセの生涯に見る自己無化)
6.新約聖書における愛I(イエスの神の国運動)
7.新約聖書における愛II(「隣人になる」ということ)
8.新約聖書における愛III(イエスの十字架と自己無化)
9.愛の概念整理I(エロースとアガペー)
10.愛の概念整理II(友愛について)
11.「憐れみ」の是非について(ニーチェのキリスト教批判)
12.神の「死」を愛すること
13.自己愛と他者愛
14.まとめ:現代人は愛しうるか?
評価方法 期末レポート80%と出席20%。リアクション・ペーパーの内容も加味します。
また、特別な理由がない限り、出席が四分の三以下の人は単位の取得権利を失います。
テキスト 毎回プリント資料を配布。映画などの視聴覚資料も使います。
その他