南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
鈴木  真
他の科目との関連
履修対象学科
副題 政治哲学における平等主義
授業概要 「人間の尊厳」という思想の核心には、平等主義があります。現代の政治哲学には様々な対立する立場がありますが、皆それぞれ平等主義を最も満足の行く形で定式化しようとする試みであると理解することができます。この授業では、現実の社会問題を横目で見ながら、そのような試みのいずれが成功しているかを検討します。
学修目標 現代の政治哲学理論を論理的に検討できるようになる

【講義計画】1講: 功利主義と政治
2講: 功利主義に対する批判
3講: リベラルな平等: 自由、機会均等、格差原理(ロールズ)
4講: リベラルな平等: 資源の平等と選択の自由(ドゥオーキン)
5講: 配分の平等と優先主義
6講: リバタリアニズム(新自由主義): 資源の再分配と自由への干渉
7講: リバタリアニズム(新自由主義): 自己所有権論
8講: マルクス主義: 搾取、必要に応じた配分、疎外
9講: 共同体主義: 共同体に正義はいらないか?文化相対主義。共通の価値観の重要性。共同体の価値観の合理的修正は可能か?個人の自律の社会的・政治的条件。
10講: リベラル・ナショナリズムとコスモポリタニズム
11講: 共和主義: 市民としての徳の内容、その重要性、必要な社会・政治制度
12講: 「多文化主義」: 国民的統合と少数派の権利
13講: フェミニズム: 性的平等に関する「差異アプローチ」と「支配アプローチ」
14講: フェミニズム: 公的なものと私的なもの。自分の人生を好きなように生きることと、他者に頼らなければならない人々に対するケアの両立は可能か。
*ただし、これはあくまで予定であって、進行状況などによって変更の可能性はあります。
授業計画
評価方法 (1)理解確認クイズと(2)A4で2枚程度のペーパーの2点で評価します。
テキスト 参考図書: W.キムリッカ、『新版 現代政治理論』、千葉眞・岡崎晴輝ほか訳、日本経済評論社、2005。
その他