06721 歴史の諸相1
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選必 |
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秋学期 |
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2 |
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1〜4 |
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原 不二夫 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | 東南アジアにおける共産党の形成、発展、終息——マラヤ共産党を中心として |
授業概要 | 東南アジア各国において、1920年代から30年代にかけて共産党が結成され、民族主義者と共に反植民地運動、独立運動の中で大きな役割を演じた。「大東亜戦争」期には、日本占領下にあって、一部民族主義者が日本と協力する道を選んだのに対して共産党は「抗日」を貫いた。戦後、ベトナムでは共産党(労働党)が政権を握りインドネシアでは共産党も一時期政権に参加したが、多くの国で共産党は非合法組織として反政府武装闘争を展開した。こうした闘争はしかし、1970年代以降の国際的な社会主義退潮、中国の「革命路線」から「改革開放路線」への転換、ソ連、東欧の解体によって次第に力を失い、90年代にはほとんどが実質上姿を消した。1930年に結成され89年に政府との和平協定締結で活動を停止したマラヤ共産党はこうした動きを凝縮した政党であり、同党を中心にして共産党誕生の背景、指導者の人物像、各国共産党間の協力関係、中国との関係、歴史的な役割、などを見る。 |
学修目標 | 東南アジアの現代史を学ぶ場合、植民地支配、民族独立運動、建国が重要な基軸の一つとなる。しかし、通常、こうした授業の参考文献は独立後政権を握った勢力の果たした役割とその政策について見ることに留まるものが多い。この授業では、歴史を一層深く掘り下げるため、この主流勢力を言わば陰で下支えした共産党に焦点を当てて、同党を産み出した歴史的・社会的背景はどのようなものか、なぜ一定の時期大きな支持を集めたのか、逆に、なぜ最終的には解体を余儀なくされたのか、国内要因、国際関係はどのような影響を与えたのか、などを示したい。併せて、社会の変革はどのような痛みを伴うものだったかも知って欲しい。 |
授業計画 | 1 東南アジアの植民地支配と独立運動 2 東南アジアにおける共産党の誕生。コミンテルン 3 インドネシア共産党の反乱、壊滅、再起 4 マラヤ共産党の結成とインドネシア共産党、中国共産党。マラヤ共産党の戦前の闘争 5 インドシナ共産党とホー・チ・ミン 6 東南アジアの抗日戦争 7 戦後のマラヤ共産党の和平闘争と武装闘争 8 マラヤ独立とマラヤ共産党の武装闘争継続(DVD上映も) 9 マレーシアの5月13日事件、「ブミプトラ政策」とマラヤ共産党 10 マラヤ共産党と中国共産党の協力関係、国際情勢の変容 11 マラヤ共産党とベトナム労働党(共産党)、インドネシア共産党の協力関係 12 マレーシアと北カリマンタン共産党。インドネシアの9月30日事件 13 マラヤ共産党とマレーシア政府の和平協定。タイ共産党の終息 14 まとめ |
評価方法 | 受講の仕方が10%、試験が90% |
テキスト | 追って指定する |
その他 |