南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
宮川 佳三
他の科目との関連 「国際関係論の基礎(日本とアメリカ);(日本とアジア)」
履修対象学科
副題 20世紀の国際社会と日本:戦争と平和
授業概要  本講義では、現代政治の課題と問題について、国内および国際政治の両面で検討する。国内に目を向けるならば、現代日本社会が直面する政治問題について、それを日本近代の歴史と文化の中に位置づけて検討し、とくに問題を解明するための鍵となっている憲法について論ずる。また国際政治問題については、とりわけ国際平和のための国際機構や組織の動向について概観し、そうした組織の問題点やあるべき姿を検討する。
学修目標  20世紀の日本がアジア──特に東アジア──に対しておこなったこと──植民地活動・帝国主義的な行動──を歴史的に知ってもらうこと。 「アジア・太平洋戦争」での敗北後の対米関係の中での日本の歩みを知ってもらうこと。 そして21世紀における日本のあり方と国際平和の構築について考えられるようにしたい。
授業計画 冷戦が終って、約20年が経過した。そして21世紀に足を踏み入れた時に「新しい戦争」を目撃した。まだ終わっていない。第二次大戦が終った後、日本はアメリカとの関係では常に従属的であった。占領政策の下で、更に冷戦状況の中での日米安全保障条約による同盟関係の中で、日本は国際社会での行動に制約を受けてきた。脱冷戦の時代、21世紀に於いて、日本は国際社会でいかなる生き方をすればいいのであろうか。第三の「戦後」のための日本の在り様を考えるために20世紀の国際社会を「平和」と「戦争」の両面で検討し、特に日本と国際社会──特に東アジア・東南アジアの国々──との関係を歴史的に概観し、日本の「軍国主義」の過去を検討し、敗戦の結果の日米関係の枠組の中で戦後の日本を考え、21世紀の日本の国際社会への貢献のための知的作業をする。
1.19世紀のヨーロッパと東アジア
2.19世紀のアメリカ合衆国と東アジア・日米関係の端緒と発展
3.アメリカ合衆国の東アジア政策と日本の東アジアへの態度〜日清戦争・日露戦争そして米西戦争
4.東アジアに於けるイギリス・日本・アメリカの三角関係
5.日本の明治時代の国内政治と対外政策
6.第一次世界大戦と戦後の新秩序〜ベルサイユ体制とワシントン体制
7.1920年代の日本の国内・対外政治
8.1930年代の日本の対外政策とアメリカの対応
9.確かに「世界大」の第二次世界大戦、そして日本:「アジア・太平洋戦争」
10.アメリカ合衆国による日本占領:民主主義と平和主義
11.占領軍から駐留軍:アメリカの世界戦略の中の日本〜日本の対応
12.「平和主義」外交と国際連合の中の日本:敗戦を自分のものとして
13.ベトナム戦争と沖縄返還、そして「デタント」と対中国政策
14.脱冷戦の世界と日本
評価方法 厳格な出席、小テスト(数回)、中間レポート、定期試験により評価を出す。
テキスト 適宜に新聞記事・論説、雑誌論文のプリント。参加図書・資料の案内をする。
その他 〔参考図書〕
チャルマーズ・ジョンソン『帝国アメリカと日本:武力依存の構造』(集英社新書)
片岡義男『影の外に出る:日本、アメリカ、戦後の分岐点』(NHK出版)
大田昌秀『醜い日本人:日本の沖縄意識』(岩波現代文庫)
家永三郎『太平洋戦争』(岩波現代文庫)
姜 尚中(編)『「日米関係」からの自立』(藤原書店)
文部省『民主主義』(径書房)