南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
江本 純
他の科目との関連
履修対象学科
副題 私たちの遺伝子DNAを分析してみよう
授業概要 「遺伝子治療、DNA鑑定、クローン技術、遺伝子組み換え食品・・・・・・」
最近、新聞紙上やテレビなどでよく耳にするようになった言葉です。私たちの生活の身近なところで、このような生物学の先端技術が普及しつつあります。イギリスやフランスでは、すでに犯罪捜査にDNA鑑定が採用されていますし、わたしたちが普段口にする食品にも遺伝子組み換え技術は普通の手段となっています。また遺伝子治療やクローン技術でも、その影響力が大きな社会問題として問われ始めています。
 秋学期の基礎生物学セミナーBでは、現在の生命科学の中心である遺伝子DNAに関して学び、実際に私たちの遺伝子DNAの一部を解析します。遺伝子技術がどのような原理を基にして、どのような手順で行われるのかを実際に学びますと、逆に、その利用における危険性もよく理解できるようになります。
 皆さんの世紀「21世紀」は“バイオの時代”でもあります。“バイオ技術”は、私たちの生活・文化・精神を今まさに大きく変えようとしています。文科系の皆さんにとっても今までは“生物学”という遠い世界だったものが“バイオ”となって押し寄せています。これからの皆さんには、バイオテクノロジィーの基礎知識は大変重要なものになります。是非とも受講することを勧めます。
学修目標  遺伝DNAの基本的な分析方法とその原理を学び、実際に自分の遺伝子の一部であるHLADQA1を分析することで、現代の生命科学がどのようなシステムをもっているかを理解する。またバイオ技術が社会の中でどのような役割を果しているのかを理解する。
授業計画 1.実験の諸注意、遺伝子に関する基本知識
2.講義:細胞の構造と遺伝子DNA
  実験:核酸DNAの抽出:DNAを眼で確かめる
3.講義:細胞の中で何が起こっているのか?
     遺伝子:設計図はどのように書かれているのか?
4.DNA分析の原理と方法、プライマーの役割
  実験:口腔細胞DNA採取、遺伝子分析器具の操作訓練
5.実験:遺伝子ALDH2増幅
  講義:お酒に強い遺伝子と弱い遺伝子のちがい
6.実験:遺伝子D1S80増幅、ALDH2電気泳動
  講義:DNA鑑定の方法
7.実験:遺伝子HLA増幅、D1S80電気泳動,ALDH2の検出
  講義:PCR法の原理、どのようにしてDNAを増やすのか
8.実験:制限酵素によるHLAの切断、D1S80の検出
  講義:制限酵素の機能、HLA型判定の原理
9.実験:HLAの切断結果の電気泳動
  講義:遺伝子の構造:調節域、プロモーター、エクソン、イントロンなど
10.講義:免疫について
  実験:HLADQA1の型
11.遺伝子DNAに関する発表会(1)
12.遺伝子DNAに関する発表会(2)
13.遺伝子DNAに関する発表会(3)
14.講義:遺伝子について
評価方法 実験レポート(100%)
テキスト 実験マニュアルは生物学教室で準備します

【その他】実験を含む授業です。最初の授業で実験の諸注意の案内がありますので、必ず出席すること。欠席の場合は登録を取り消すこともあります。
その他