南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
音喜多 信博
他の科目との関連
他学科履修
副題 現代の哲学的人間学
授業概要  この授業では、20世紀前半から半ばにかけて、主にドイツ語圏で盛んになった「哲学的人間学」について学ぶ。哲学的人間学とは、哲学や思想の歴史のなかに現れた人間観を参照しながら、人間についての現代の諸科学(進化生物学、発達心理学、精神分析学など)の成果を哲学的な観点から綜合し、全体的な人間観を形成するということをめざす分野である。
 授業では、「哲学的人間学」派に属する哲学者たちの思想のみを学ぶわけではなく、必要な限りにおいて古典的な思想家の学説をとりあげたり、最近の人間諸科学の具体的成果について哲学的に考察したりする。
学修目標 1.西洋の哲学・思想の歴史のなかに現れた様々な人間観についての理解を深める。
2.個々の人間諸科学を学ぶだけでは断片的なものとなってしまう人間についての知を綜合し、自分なりの人間観を形成する。
授業計画 1.イントロダクション
(前半)哲学・思想の歴史のなかに現れた人間観
2.キリスト教の人間観
3.合理主義的人間観(デカルト)
4.反合理主義の人間観(1)啓蒙主義期の哲学者(ルソー、ヘルダー)
5.反合理主義の人間観(2)生の哲学(ショーペンハウアー、ニーチェ)
6.自然主義的人間観(1)ダーウィンの進化論
7.自然主義的人間観(2)フロイトの精神分析学
8.マックス・シェーラーの哲学的人間学
(後半)現代の人間諸科学から見た人間
9.人間の行動と動物の行動の違い(1)道具の作成・使用
10.人間の行動と動物の行動の違い(2)知能
11.人間と言語(1)動物のコミュニケーション手段と人間の言語
12.人間と言語(2)言語による世界の分節化
13.人間の「精神」の進化の歴史(身体の進化と文化の進化)
14.人間はいかなる動物か(ポルトマンの「生理的早産」説)
15.定期試験
評価方法 学期末に筆記試験をおこなう予定である。
出席30%、定期試験70%で評価する。
テキスト 教科書は使用しない。
参考書:木田元・須田朗 監修『哲学の探究』中央大学出版部
その他