南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
松田 京子
他の科目との関連
他学科履修
副題 博覧会と「異文化」表象
授業概要 19世紀から20世紀への世紀転換期は、後発の位置から「国民国家」形成を行った日本が、帝国主義段階に移行していく時期であったといわれています。国家が「帝国」としての相貌を持つことは、思想や表象といった広義の「文化」領域に属する事象の中で、どのような問題として立ち現れたのでしょうか。本講義では、博覧会という具体的な出来事に焦点をあて、博覧会開催が契機となった都市構造の変容、博覧会の「場」に交差する社会進化論や人種主義といった思想潮流、具体的な「展示」行為によって示される、日本列島の周辺諸民族の序列をともなった把握といった諸問題の相互関連のあり方を、「日本文化史」の問題として論じていきたいと思います。
学修目標 主に近代期の日本の文化・思想状況を、博覧会という具体的な出来事を通じて、把握することを目標とします。
授業計画 第1回〜第2回:「国民国家」形成と近代日本
          中央集権体制への移行と「国民」形成
          感性の変化−「近代人」の「誕生」という問題−
第3回〜第8回:「都市」から「帝国の中枢」へ
          第五回内国勧業博覧会と大阪−「内国」博覧会から「帝国」の博覧会へー
          「貧民街」移転問題と公衆衛生観念−急性伝染病と「貧民街」—
          「東洋の商都」大阪の近代とアジア−都市の「卓越化」という動向−
第9回〜第14回:パビリオン学術人類館
          学術人類館の様相と「生身」の人間の「展示」
          「琉球」「アイヌ」と「帝国」日本
          社会進化論と人種主義

※適宜、ポスタ−やイラストなど視覚資料の提示やビデオスタディを織り交ぜて、講義していきます。
評価方法 講義への積極的参加(30%)、筆記試験(70%)。
テキスト プリントを配布します。参考文献については、講義中に適宜、紹介します。
その他