40962 西洋法史A
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選 |
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春学期 |
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2 |
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3・4 |
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田中 実 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | |
副題 | ローマ法および法学の基本的概念の検討 |
授業概要 | 古代ローマは、財貨をめぐる紛争解決にあたって、例えば多数決原理を採用する議会とは距離をおき、論拠を限定しつつも開かれた議論を許容する法や裁判制度の構築に成功しました。そこで作られた基本的な概念、議論の枠組み、立論のあり方は、今日でも、諸国の、そして西欧法を継受した我が国の法制度・法学の基盤をなしているといわれています。果たしてそうかはともかく、ローマで練り上げられた主要な法制度を、歴史的展開にも配慮しながら解説します。 |
学修目標 | ローマ法、とくにローマ私法の基本的な知識を習得し、イングランドの武力支配を経験したことのない世界の大部分の地域に共通の大陸法の基礎的素養を身につけ、法的思考能力の向上をはかること。 |
授業計画 | 総論 1.プロローグ 法の生成 ローマ法の意義 2.ローマ法の歴史(1)国制および刑事訴訟の変遷 3.ローマ法の歴史(2)民事訴訟および法学の変遷 民法総則および人事法から 4.家構造 家子および妻の法的地位 5.付加的性質の訴権 6.法人 物権法から 7.所有権 dominium概念の検討 所有権の成立しない土地 8.所有権 rei vindicatio所有物取戻訴訟 9.占有 特示命令 債権法から 10.債務負担行為の展開 契約法の洗練 11.担保責任 追奪担保、瑕疵担保、訴訟法上の担保 12.不法行為 相続法から 13.法定相続 14.遺言相続 相続人指定および遺贈 |
評価方法 | 平常点が10%、定期試験90% |
テキスト | (1)ウルリヒ・マンテ(田中実/瀧澤栄治訳)『ローマ法の歴史』ミネルヴァ書房 (2)配布資料 |
その他 | 講義は、教材(1)の叙述を日本の民法の編成順序に再構成し、(1)が扱っていない付加的性質の訴権や占有についても補って、説明します。 |