南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
MUNSHI Roger Vanzila
他の科目との関連
他学科履修
副題 フランス語圏アフリカにおけるフランス文化と文学
授業概要  本講義では、フランス語圏(フランコフォン)に属するアフリカ諸国を紹介する。テーマは多岐に渡っており、各国の固有文化、植民地文化、ポスト・コロニアル文化等に関して、フォーマルなもの、インフォーマルなものを問わず、幅ひろく紹介しながらその核心に迫る。その過程で、フランス語とともに歩んできた無数のアフリカ文化とフランス語との間に隠然と存在する複雑なラポール(調和関係)が見えてくるに違いない。それが議論のポイントとなる。授業にあたっては、サハラ以南のフランコフォン・アフリカ諸国の小説、小話、詩、映画を教材とする。フランス語圏アフリカ諸国では、飲食物、スポーツ、ファッション、芸術、音楽、読み物等、他にも様々な分野においてフランス文化の影響が色濃く反映している。本講義のもう一つの狙いは、フランス語圏アフリカの歴史的、政治的、文化的側面におけるフランス語の影響を考察するところにある。そして、今なお続くその影響力の正体を、地域的・世界的システムの枠組みとの関連に照らし合わせて掘り下げていく。
学修目標  本講義を通じて、受講生諸君はフランス語圏アフリカの歴史的背景に関する教養をはぐくむとともに、当該諸国においてフランス文化、フランス文学の占めるポジションについての見識を深める。本講義はフランス語、フランス語圏の文化及び文学の学習を包含するものであり、講義の回を重ねながら、以下に記した能力、素養に磨きをかける。
・シャープでクリティカルな思考回路
・口頭、文頭による分析スキル
・世界情勢の比較考察
・クロス・カルチャーという概念への覚醒、及び多種多様な人種と協調して行動を共に  する能力
・多角的・総合的知識(文学、歴史、芸術、映画、哲学、言語学、社会学、経済学、その他フランス語と仏語圏文化が交差する膨大な事柄に関する一般教養)
授業計画 1. オリエンテーション:コミュニケーション、文化としてのフランス語
  アフリカのフランス語圏諸国—その歴史的背景と人口増加
2. 文芸的、政治的観点で見たフランス語圏アフリカ
3. アフリカにおけるフランス語教育の実態 1(コンゴ民主共和国・旧-ザイール、ルワンダ、ブルンディ、コンゴ共和国等の小中高教育の事例をもとに)
4. アフリカにおけるフランス語教育の実態 2 (マリ、セネガル、トーゴ等の小中高教育の事例をもとに)
5. サハラ砂漠以南のアフリカ諸国における言語と文学の多様性 フランス語の口語と俗語(中央アフリカ、西アフリカの植民地時代の小説及び現代小説を題材に)
6. アフリカにおけるポスト・コロニアリズムとそれへの批判
7. フランス語圏アフリカの文化的アイデンティティーに関する議論
8. 現代アフリカにおけるフランス語の社会・言語学的側面
9. アフリカにおけるフランス文化の協調的併存
10. アフリカ未開地及び都市部におけるフランス文化の影響
11. アフリカでコミュニケーション・ツールとしてのフランス語を駆使する日本人
12. 21世紀のアフリカでフランス語を話すことの意義(その問題点)
13. グローバル・カルチャーの潮流におけるフランス語圏アフリカの重要性—その理論的 根拠
14. 総括
15. 期末レポート提出
評価方法 出席点30%、期末レポート70%の比重をもって査定する。
テキスト 特に指定しない。但し、必要に応じて、参考文献、民族誌、比較資料等を用意する。
その他