南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
未定
他の科目との関連
他学科履修
副題
授業概要 春学期の講義「ドイツの政治と社会」を引き継いで、1930年代の世界大恐慌以降のドイツの政治と社会について概観する。まず、ファシズム台頭の社会的・経済的背景、および大規模な大衆動員に成功したナチス政治の特徴を解説するとともに、フランクフルト学派などによるナチス体制の理論的分析も紹介する。そして、敗戦と東西冷戦のなかで生まれてきた戦後ドイツの政治体制の特徴を見た後、高度経済成長や60、70年代の反体制運動など、戦後日本とも共通する状況がドイツでどのように展開したかを見ていくことにする。さらに、80年代にナチスの過去をめぐって行なわれたドイツ歴史家論争や、現在の統一ドイツが直面する諸問題についても検討するつもりである。
学修目標 この講義ではドイツの政治・社会史の基本的な流れを概観するが、単なるドイツ史の紹介にとどまることなく、それをより広いヨーロッパや世界の政治経済構造との関連で考察する。ドイツが歴史的に直面してきた諸問題を学ぶことで、戦争、資本主義、民主主義、貧困問題といった、現在の私たちにとってなおアクチュアルな問題を考える手掛かりとしたい。また、ドイツは19、20世紀の激動する政治状況のなかで、マルクス・ニーチェ・フロイトからフランクフルト学派の社会哲学まで、さまざまな思想を生み出してきた。これらの理論は今日の政治学や社会学にも大きな影響を与えているので、それらを紹介することによって、現代社会を分析するためにも有効な社会科学的視点を身に付けられるようにする。
授業計画 1.−2.世界大恐慌と資本主義の変容
3.−5.ナチスと大衆政治———政治の美学化と総動員体制
6.−7.ナチズム分析———フランクフルト学派
8.戦後ドイツ体制の成立と東西対立
9.−10.50年代の高度経済成長から60年代の反体制運動まで
11.−13.70、80年代の社会状況———「新しい社会運動」と歴史修正主義
14.統一後のドイツの課題
毎回の内容は授業の進度に応じて変更する場合がある。
評価方法 学期末の定期試験の成績で評価する。
テキスト 授業のなかでそのつど参考文献を指示する。
その他