南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
3・4
担当者
中村 元哉
他の科目との関連 中国現代史研究
他学科履修
副題 中華民国史
授業概要  国内外を問わず、中華民国史は、この20数年間で最も歴史の書き直しがすすんだ分野である。これまで非近代的なイメージで語られることの多かった中華民国史は、いまや近代的国民国家へと向かう一つの歴史過程として描かれるようになった。本講義は、最新の研究成果を取り入れながら(※)、新しい中華民国史像を提示し、当時の国際情勢のなかに位置づけなおしていく。
(※)内容は専門的かつ学術的です。かみくだいた説明は「中国現代史研究」でおこないます。
学修目標  現代中国と向き合う際に、「何が問題で、その問題がなぜ発生するのか?」を過去に遡って考えなければならない。その中核に位置する問題こそが歴史認識問題であり、それは日本人の近代中国認識と深くかかわっている。
 本講義を通じて、受講者が自らの近代中国イメージを再点検し、より客観的なイメージを構築していくことが求められる。この学修目標を達成してこそ、「今ある中国」と冷静に向き合えるはずである。
授業計画 序:中国近代史を学ぶ意義〈第1回〉
1:近代国家への模索
   辛亥革命と中華民国の成立〈第2回〉/第一次世界大戦とロシア革命〈第3回〉
   国民革命—北京政府から国民政府へ—〈第4回〉/国民政府の統治〈第5回〉
    *中間総括とDVD鑑賞〈第6回〉*アンケートへの回答〈第7回〉
2:満洲事変から日中戦争へ〈第8回〉
3:戦時下の中国—重慶と延安—〈第9〜10回〉
4:戦後中国と世界情勢—中華民国から中華人民共和国へ—〈第11回〉
5:中華人民共和国と台湾、香港
  近代中国リベラリズムと中華民国憲法〈第12回〉
  近代中国と現代中国・東アジア〈第13回〉
6:中国近代史像を再検討する—「中華民族」の創造—〈第14回〉
評価方法  出席点(20%)、定期試験(80%)で評価する。
テキスト  久保亨ほか『現代中国の歴史』(東京大学出版会、2008年)
その他  小島晋治・並木頼寿編『近代中国研究案内』(岩波書店、1993年)、野澤豊編『日本の中華民国史研究』(汲古書院、1995年)、岸本美緒ほか編『中国歴史研究入門』(名古屋大学出版会、2006年)を適宜参照できれば理想的である。