南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
川= 勝
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 貨幣を通してみた日本の経済の歴史
授業概要  「歴史とは現在と過去との対話である」。「過去は、現在の光に照らして始めて私たちに理解出来るものであり、過去の光に照らしては始めて私たちは現在をよく理解することが出来るものである」。(E.H.カー)
 この名言を先ず噛み締めて、講義に望んでほしい。
 いまの経済の動きを理解するためには、私たちがいまいる社会が、どのような流れの中に位置しているのかを知ることが大事である。経済を支配する、お金の動き。この、物と物とを媒介する、便利な、そして時として危険な代物が、日本社会に、どのように生まれ、使われ、どのような役割を果たし、また、多くの問題をもたらしてきたか。これを、過去の、政治、制度、文化と関連づけて、探ってみよう。
学修目標 1.経済の歴史の意味を考える。
2.経済史の方法を理解する。
3.現在の問題を見る視点を考える。
授業計画 1.「歴史」とは何か
2.経済生活の中での貨幣の役割
3.富本銭の出現と和同開珎——日本最初の貨幣と律令体制
4.世界を動かす日本の金銀——交易の発達とアジアとヨーロッパ
5.江戸の金遣いと大坂の銀遣い——三貨制度の裏で
6.貨幣を改鋳する——幕府財政
7.幕末の金の流出——ヨーロッパ世界に巻き込まれて
8.両から円へ——新貨制度
9.銀貨と紙幣との交換——日本銀行と兌換制度
10.本位貨幣とは——世界経済と戦争
11.金解禁をめぐる思惑——政治と銀行
12.新円切り換え——敗戦直後の混乱
13.ドル=ショックとドル買い支え——ドルの支配の昨今
14.裏白紙幣と2000円札——紙幣のいろいろ
評価方法 授業時間内のレポート、定期試験による。
テキスト 適宜、レジュメを配布する。
参考文献は、講義で示す。
その他 授業計画は、受講者数によって変更することもある。
講義時間中の質問は大いに歓迎するが、私語をする者は退出してもらう。