南山大学

 
指定
期間
夏期前半
単位
年次
2〜4
担当者
福田 敏浩
他の科目との関連
他学科履修
副題 「第三の道」の経済体制論
授業概要  この講義では「第三の道論」を取り上げる。「第三の道論」には、既存の資本主義体制(第一の道)と既存の社会主義体制(第二の道)をともに超えた第三のベターな経済体制を主張するものと、両者の中間を行く第三のベターな経済体制を主張するものとがある。この講義では過去100年間に提唱されてきた両タイプの「第三の道論」のうちドイツ新自由主義とイギリス社会民主主義の二つの系譜について各説の特徴や現代的意義を述べてみたい。
 今、地球上ではサブプライム問題に象徴されるように金融資本主義が猛威を振るい、行き過ぎたマネー取引や証券取引によって私たちの生活は言いようのない不安に襲われている。本来人間のサーバントであるはずのマネーが今やモンスターとなって人間を自在に操りつつある。この状態を放置すると人類に未来はないだろう。マネー支配にブレーキをかけ、豊かで安定した生活を実現するには「人間の顔をした第三の道」を構築するほかにないと私は考えている。そのような問題意識をもってこの講義に臨みたい。
学修目標 1.「第三の道論」の学習を通して経済体制論的思考の魅力を理解する。
2.経済について歴史的にダイナミックに、かつグローバルに理解する能力を養う。
授業計画 1〜3.経済体制実験の時代
4〜5.第三の道論の系譜
6〜9.ドイツ新自由主義の第三の道—資本主義と社会主義を超えて—
10〜12.イギリス社会民主主義の第三の道—資本主義と社会主義との中間の道—
13〜14.「人間の顔をした第三の道」への展望
15.定期試験
評価方法 定期試験80%、出席20%により評価する。
テキスト 講義レジュメを配布する。参考書:福田敏浩『体制移行の経済学』晃洋書房。その他の参考文献は講義の中で指示する。
その他